その場で考え、動きピッタリ、生成AI実験ロボを開発 理研と阪大
開発したロボットは「最も大きな葉」「中心」といった言葉を理解。薬液の種類や量、位置などを、試料ごとに細かく設定できる。病害虫や栄養素が葉に与える影響を調べるといった実験のほか、細胞生物学や、反応の時間変化を扱う化学の実験などにも応用できるという。
研究グループの理研生命機能科学研究センターの田中信行上級研究員は会見で「生命科学では昨今、多様な条件や大量のデータを比較することが多く、人間の能力では対処しきれなくなっている。実験内容により、照明や呼気の影響を避けたい場合もある。こうした問題の解決につながる成果となった」と話した。ロボットを動かす生成AIのソフトウェアを担当した大阪大大学院基礎工学研究科の万偉偉(ワン・ウェイウェイ)准教授は「AIロボットと生命科学が共同で発展することで、未知のメカニズムの理解が深まっていくだろう」とした。
成果は米国の自動制御分野の専門誌「IEEE(アイトリプルイー)トランザクションズ・オン・オートメーション・サイエンス・アンド・エンジニアリング」に昨年11月27日に掲載され、理研と大阪大が先月25日に発表した。