“未完の大器”安楽が楽天の救世主?
2年目を迎える楽天のドラフト1位、安楽智大(19)が、21日から1軍に合流、23日の西武戦で今季初先発する方向が決まった。辛島航(25)が左肩痛で離脱したため、その空いたローテーションを埋める“救世主”として抜擢されたものだ。ようやくつかんだチャンスに安楽は「(不安よりも)ワクワク感のほうが大きい。今までやってきたことをやるだけ。120パーセントの力を出せればいい」と意気込みを語った。 ルーキーイヤーは“消化試合”の10月5日のソフトバンク戦にプロ初先発して、6回を投げ2安打、4奪三振、無失点で、すでにプロ初勝利をあげているが、済美高校時代にマークした157キロのストレートは影を潜めていた。このとき対戦したソフトバンクの松田宣浩も、「ポテンシャルは凄い。ただ想像したよりもストレートは来ていなかった」と、素直な印象を語っている。 2年春のセンバツ甲子園で、5試合で3連投を含み述べ772球を投げるなど、登板過多の影響で、プロ入り前から肘に異常が発生。しばらくノースローが続いたが、その影響からか、筋力、体力も落ちて、昨年1年間は筋力を含めた肉体のバランスを取り戻すのに時間がかかった。 まだ18歳、その肉体のアンバランスが、ピッチングフォームにまで影響を与え、安楽らしい球威を取り戻すことができていなかった。彼もイメージと実際のボールのズレに悩んだ。 昨秋の倉敷キャンプから「誰もが認める潜在能力を持っている。なんとかしたい」と、新任の与田剛投手コーチと、マンツーマンでフォーム修正に取り組んできた。 「独特のリズムを持つフダイナミックなフォームを大きく直す必要はないが、キャッチャーに向かうパワーのベクトルがバラバラで、せっかくのパワーが分散されてしまっている。簡単に言えば、ロスなくパワーをキャッチャーのミットに一直線でぶつけるイメージで体を使い、力まず上下のバランスを保つことをテーマにさせてきた」と、与田氏。