<注目>「国際女性デーはなくなればいい」全国で女性の地位向上を目指すイベント主催者がそう断言する理由
〝アピール〟のフェーズは終わった「やっているフリ」は逆効果に
今でこそ、SDGsという言葉の認知度は高まり、多くの企業や投資家にも意識されています。ですが、17年当時はSDGsを知る人は珍しく、ジェンダーギャップがあることすら誰も意識していないような状況で、こちらから企業に声を掛け、協力を仰いでも見向きもされませんでした。 浸透していなかった時には、SDGsのシンボルともいえるカラフルな丸いバッジをしていることがステータスにもなり、知名度の向上にも効果的だったため、私自身も誇りを持って着用していました。 ただ、昨今では「SDGsウォッシュ」という言葉があるように、実態が伴わないにもかかわらず「取り組んでいるフリ」をする事例が顕在化しはじめています。個人的には「認知」のフェーズは既に終わり、これからはいかに実装していくかという段階に入っていると感じています。つまり、これからは「やっているフリ」は逆に世間からの評判を下げる方向に働くことになるということです。
都合のいい言葉に踊らされず内実や本質に目を向けよ
世界経済フォーラム(WEF)が発表した昨年のジェンダーギャップ指数において、日本は世界146カ国中125位でした。特に、「政治参画(138位)」や「経済参画(123位)」の指標では世界平均を下回り、総合順位を押し下げる要因にもなっています。 ここで強調したいのは、各指標における順位そのものではなく、そもそもジェンダーギャップが「存在する」という事実です。私たちは「国際女性デーが特別な日でなくなる社会を目指して」というスローガンを掲げていますが、ジェンダーギャップが解消された暁には、国際女性デーはなくなってもいいと本気で思っています。裏を返せば、ジェンダーギャップが存在する以上は、それを埋めるための努力を続けていきたいということです。 昨今、日本では「ジェンダーギャップ」と「ジェンダーレス」が同列に扱われ、語られる風潮があるように感じており、そこには違和感を覚えます。もちろん、ジェンダーレスも大事なことだと認識していますが、私たちは、まずは目の前にある「ジェンダーギャップ」の解消に注力すべきだと考えています。その意味で「LGBTQ」や「ダイバーシティー」などの言葉を都合よく振りかざすのではなく、その本質や内実に目を向けることが必要だと思います。