緊急車両通行時の対応でわかる運転モラル! アメリカの例をみると日本もまだまだと感じる
緊急車両に遭遇したときは速やかに道を譲るべし
2024年9月上旬に緊急自動車(パトカーや救急車、消防車など)が関係する交通事故についての報道が相次いだ。 【写真】有料が当たり前!? インドネシアの救急車とは 報道によると、2024年9月8日午前0時半すぎ、埼玉県上尾市内の国道17号線「上尾警察署前」交差点にて、国道を交差する道路から出てきた緊急走行中のパトカーと、国道17号線を走行していた軽自動車が出会い頭に衝突する事故が発生した。赤色灯をつけ緊急走行していたパトカーは、パトカー側の信号が赤の状態で交差点に進入したということであった。 翌2024年9月9日午前には、三重県鈴鹿市内の交差点で救急搬送中の救急車と乗用車が交差点で衝突事故を起こし、救急車が路外の田んぼに突っ込んだ。 まず、緊急車両とはどういうものなのかについては、道路交通法第39条にて、「消防用自動車、緊急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより運転中のもの」としている。具体的には、パトカーや救急車、消防車のほか臓器や血液搬送車、電気やガスなどについての応急作業車、自衛隊車両などが該当するとされている。 そして、道路交通法第40条にて、「交差点又はその付近において、緊急自動車が接近したときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ)は交差点を避け、かつ道路左側によって一時停止しなければならない」としている。つまり、交差点付近以外では必ずしも停車して譲る必要がないとも条文からは読み取れるのである。 そうはいっても、日常的に街なかの道路を見ていれば(対面通行の場合)、交差点近くではなくても緊急車両のサイレンや自車に接近してきているのが確認できたら、自分と同じ進行方向に緊急車両が走っていなくても、多くはハザードランプをつけて車両を左側によせて道路の真ん中にスペースを設け、緊急車両が円滑に走行できるようにするのが一般的となっているようである。とにかくサイレンがすぐ近くで鳴っているように聞こえたら速やかに車両を左側に寄せているようである。 ただ、緊急車両が関係する衝突事故では、相手方の一般車両において車内で音楽を大音量で聞いていて緊急車両に気がつかなかったといったような事案もあるようだ。また、緊急車両が接近しているにもかかわらず、適切な行動を行わず緊急車両の走行を妨げるといった事案も目立ってきているようである。 筆者の私見では、サイレンを鳴らしているのに速度はそれほど速くもなく交差点を赤信号で進入するときには、当然の話かもしれないが徐行スピードで慎重に進入しているので、緊急走行していてもそれほど時間短縮にならないのではないかと思っていたのだが、両親の容態が悪くひんぱんに救急車に同乗したり、筆者自身も救急搬送されたりして、救急車の「ヘビーリピーター」状態だったときがあった。 そして、実際に救急車に乗ってみると、赤信号で停車しないだけでもかなり時間が稼げるようで、思いのほか毎回救急病院に短時間で到着していた(搬送先は地元の病院なので通常よりも早く到着しているのはすぐにわかった)。