イスラエル、26日の閣議でヒズボラ停戦を採決する可能性-当局者
(ブルームバーグ): イスラエルはレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラと数日内に停戦合意に至る可能性がある。バイデン米政権のホックスティーン特使が交渉の仲介に乗り出していた。
イスラエルのヘルツォグ駐米大使は25日、イスラエル軍ラジオに対し、「われわれは合意に近づいている」と説明。最終的な争点のいくつかはなお対処の必要があるとしつつ、停戦合意は「数日以内に実現するかもしれない」と述べた。
事情に詳しいイスラエル当局者によると、イスラエルの安全保障内閣は26日に閣議を開き、ヒズボラとの停戦を受け入れるか採決する可能性がある。
25日の外国為替市場で、イスラエル・シェケルはドルに対する上げが一時2%を超え、取引時間中として4月以来の大幅上昇を記録した。停戦合意で中東の緊張が緩和に向かうとの楽観から、原油価格は下落した。
ここ数週間、他のイスラエルや米国の当局者からも似たような予測が出ているが、ヒズボラ側が合意を受け入れるかは不明だ。イスラエルによるレバノン南部への作戦や空爆、地上侵攻の強化で、ヒズボラは著しく弱体化しているものの、イスラエルに対してロケット弾を日常的に発射し、イスラエルの地上部隊に抵抗を続けている。
ヒズボラは24日、イスラエルに向けて少なくとも250のロケット弾や無人機を発射し、数人が負傷した。一方、イスラエル空軍はレバノンの標的に攻撃を仕掛けた。
イスラエルでは、極右政党に所属するベングビール国家治安相が停戦への反対を表明。停戦を結べば、イスラエル破壊を信条とするヒズボラをつぶす「絶好の期待をみすみす逃す」ことになると主張した。ただ、ネタニヤフ首相はベングビール氏の支持がなくても、閣議で承認を確保することが依然可能だ。
ホックスティーン特使は来年1月のトランプ次期政権の発足前に停戦を実現することを目指し、中東を先週訪れていた。
原題:Israel and Hezbollah Edge Closer to Cease-Fire Agreement(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Dan Williams