Sexy Zone、シングル『人生遊戯』で25作連続の首位獲得 ファンク歌謡で聴かせるボーカルの実力
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2023-12-25/ 2023年12月25日付(2023年12月19日発表)のオリコン週間シングルランキングで1位を獲得したのはSexy Zoneの『人生遊戯』。2011年のデビューシングル『Sexy Zone』以降、25作連続の首位獲得となりました。 【写真】Sexy Zone 中島健人、ニット帽×タンクトップ姿のアイドルショット タイトルナンバーの「人生遊戯」は、菊池風磨が主演を務める土曜ドラマ『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)の主題歌にして、なんと堂々たるファンク歌謡。渡辺拓也作曲、CHOKKAKU編曲による楽曲です。 ギターの弦の上を指が撫でるかのような音で幕を開け、ベースとドラムによるリズムセクションとホーンセクションが響き、そしてメンバーのラップがはじまるまで、わずか4秒程度。見事なたたみかけ方です。かなりダミ声気味のラップでは、〈今のうち〉〈縦横無尽に〉〈一本道〉といったイ音、さらには〈口叩いた〉〈Haters」〈まだいた?〉というタ音による踏韻が細かく行われています。 ラップが終わるとわずかな間奏とボイスを挟んでAメロへ。スムースなメロディを描きだすメンバーのボーカルが心地よく、さらに〈聞きかじりのセリフ 上滑りの言葉〉と歌われる箇所は、タメをきかせて余韻を持たせる歌い方になっており、サウンドのみならずボーカル面でもブラックミュージック濃度を高めています。これ以降、同じメロディの箇所でも同様の歌い方が意識されており、Sexy Zoneのボーカルグループとしての実力を物語ります。ボーカルは音程だけではなくリズム感も重要なのです。 短いBメロを経てのサビでは、J-POPっぽくなったな……と感じていると、〈ゼロになれたならって / 負けるつもりか?〉の箇所でボーカルが再びタメをきかせていて目が覚めました。以降、同じメロディの箇所で同様の歌い方をしています。 2番のAメロではサウンドがジャジーに変化。1番よりもAメロが短く、すぐにBメロとサビへと展開するのですが、そのサビも1番より短いという構造になっています。まるで曲展開を急ぐようなのです。 再び始まるラップではイ音のほか、〈煩悩〉〈翻弄〉とウ音でも踏韻。こうして、めまぐるしい展開と情報量とともに「人生遊戯」は3分弱で終わります。 Sexy Zoneの音楽のレベルの高さを雄弁に示すのが「人生遊戯」であり、グループを取り巻く変化のなかで、サブスク配信されないものかと願ってしまうような楽曲です。
宗像明将