学校のプールで“日焼け止め禁止” 理由は「水質管理」?…専門家の見解は 小中の 3割でクリーム禁止【#みんなのギモン】
■中学校が配ったプリントにある「理由」
山崎アナウンサー 「環境省によると、強い紫外線を受けると皮膚の炎症が起きたり、長年浴び続けるとしわやシミ、皮膚がんを起こしやすくなる危険性があります。ではなぜ、この中学校は日焼け止めを禁止しているのでしょうか?」 「学校から配られたという、水泳のルールが書かれたプリントを母親に提供してもらいました。『日焼け止めを塗って、水泳の授業に参加することは禁止とする』とあり、『プールが汚れ、他学年・他クラスに迷惑がかかる』と理由も記されていました」 「当該中学校を管轄する教育委員会は取材に『プールの授業のルールについてはそれぞれの学校で決めている。この学校ではラッシュガードの着用は認められているが、一部の教員が水質に影響がないよう、日焼け止めの使用をやめるよう指導していた』と答えました」
■クリームは?…日本学校保健会が調査
斎藤佑樹キャスター 「子どもの頃も学生時代も、日焼け止めを塗るという習慣がなかったんですよ。ただ、『あの時からずっと日焼け止めを塗っていたら、自分の肌ってどうなっていたんだろうな』と思っています」 河出奈都美アナウンサー 「他の学校がどうだったか分かりませんが、私の学校ではプールの授業でも日焼け止め禁止のルールは特になかったような気がします。そのため、塗ったり塗らなかったりしていたんじゃないかなと…」 「他のプール施設でも、基本的には家族に『塗りなさい』と言われていました。日焼けで痛くなってしまうので」 山崎アナウンサー 「時を経てルールが変わっているかもしれませんが、水泳の授業での日焼け止め禁止はこの学校に限ったことではありません」 「日本学校保健会が2015年に行った調査によると、屋外にプールがあり、日焼け止めクリームの使用を禁止している全国の小中学校は約3割。小学校は29.9%、中学校は31.6%でした。高校は半数近い48.5%、特別支援学校は19.7%が禁止でした」
■皮膚科医ら、水質への影響を調査
山崎アナウンサー 「では、日焼け止めを使うとプールの水質に影響があるのかどうか。2007年、小学校の児童30人が日焼け止めを塗り、約2か月間プールの授業をして水質に変化があるのか、皮膚科医ら(佐々木りか子氏・資生堂)が調査しました」 「その結果、文部科学省や環境省が取り決める基準内に収まっていたことが分かりました。また日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会も、耐水性の日焼け止めを使用しても汚濁されないことは複数の実証実験で明らかになっているとしています」