こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】上質感溢れるダンディミニバン! その名は[日産バサラ]
■大柄なサイズと車重をものともせず爽快な走りを実現
車内も外観でアピールした特徴が随所に見てとれる。デザインの基本はプレサージュに準じているが、ダークグレーとウォームグレーのハイコントラストなツートーンカラーによって上質感を演出するとともに、メーター、パワーウインドウスイッチフィニッシャー、シフトレバーなどをカーボン調としたスポーティな空間としている。 シートはメインとなる部分とサイド部をインテリアカラーと同様にツートンカラーでコーディネイト。これによってインテリア全体で統一感を持たせている。また、クッションに十分な厚みを確保し、座面を長くするなど、長距離走行でも疲れにくい配慮がなされているのもポイントだ。 さらにフロントシートには、シートバックサイド部に異硬度ウレタンを採用してホールド性を高めるとともに、角度調整式アームレストを標準装備。こうした装備も快適性を高め、乗り込むたびにオーナーに満足感を提供してくれる要素となっていた。 全長が4795mm、全幅を1770mm、全高1725mmで、ホイールベースを2890mmに設定したLサイズミニバンで、車重が1610~1790kgに達するため走りへの影響が懸念されるが、その点は心配無用。エンジンは、直噴ディーゼルエンジンのYD25DDTiをはじめ、ガソリン仕様がVQ30DEとKA24DEという合計3タイプを揃えている。 いずれも高出力と優れた室内静粛性を兼ね備え、街乗りでのパワフルな走りと高速域での爽快な伸びを実現。特にディーゼルエンジンには、荷重センサーがエンジンの振動を検知すると電磁アクチュエーターがその振動を打ち消すように作動し、車内に伝わる騒音と振動を低減させるアクティブコントロールエンジンマウントを装備。 VQ30DEエンジン搭載車には振動の伝達を効果的に遮断する電子制御式エンジンマウントを採用している。こうしたメカニズムによって、車格に見合う動力性能を発揮しながら、質の高い走りが味わえたのも走りにおいてはセールスポイントとなっていた。 サスペンションはフロントがストラット、リアをマルチリンクとし、優れた操縦安定性としなやかな乗り心地の両立を目指した。そのうえでストレートに配した大断面のフロントサイドメンバーやアウトリガーの適正配置を実施したほか、リアピラーまわりの補強などを行うことで路面追従性を高め、乗用セダンとまではいかないもののミニバンのなかではトップレベルの操縦性を発揮。ミニバン特有の全高やカーブでのロールを意識させず、あらゆる場面で爽快な運転感覚が味わえた。