岡山の専門学生のラーメンコンテスト ラーメン店の店主などが審査
専門学校「岡山ビジネスカレッジ(OBC)」(岡山市北区岩田町)の調理師養成学科の学生によるラーメンコンテストが12月9日、開催された。(岡山経済新聞) 【写真】優勝した「〆までおいしい鯛茶つけ麺」1 同コンテストは、ラーメン店「冨士屋」(奉還町2)やトラットリア「はしまや」(倉敷市東町)に麺を提供する「冨士麺ず工房」(下伊福町)の波夛悠也社長とラーメン店「一照庵」店主の大野浩史さんが昨年から取り組む授業の一環として初めて開催した。 授業では、和食以外に洋食や中華のほかにラーメンの授業を担当。1年生で麺を打つ、麺工房の見学、だしの取り方を習ったのちに笠岡ラーメンを作った。2年生になって、低温調理のチャーシューなど数種類のチャーシュー作り、香味油作りなどの後、数種類のラーメンを作ったほか、店に訪れ、食べてみて、価格設定や立地なども含めたリポートを提出した。 当日は、2年生10人が4チームに分かれ、商品コンセプトやターゲット層などについての「プレゼン」、ラーメンの温度や衛生面などの「基本行動」、具材の配置やスープの量などの「見た目」、スープの味や麺のゆで加減などの「味・香り」の4項目で審査員が審査した。 ラーメンは、アサリとシジミで取っただしスープに皮をパリパリに焼いた鶏モモ、パセリオイルを垂らした「貝のだし香る・ゆず塩ラーメン」、親鳥の濃厚白湯スープに抹茶を加え、鴨ロース煮と塩こうじを使った鶏ハムをのせた「抹茶白湯ラーメン」、豆乳ベースの黒ごまスープに豚肩ロースのチャーシューをのせ、カロリーに気を配った「豆乳を使った黒ごまラーメン」、たい茶漬けをつけ麺としてアレンジし飯で終わる和風な「〆までおいしい鯛(たい)茶つけ麺」の4種。 審査は、大野さん、波夛さんに加え、OBCの洋食専門講師でアークホテル総料理長を務めた須田光郎さん、グルメインフルエンサーのきーたんこと北川知裕さん、情報誌「タウン情報おかやま」の杉本龍太郎副編集長の5人が、調理前のプレゼン、調理、実食で採点した。 優勝は、「〆までおいしい鯛茶つけ麺」。2位は同点で「貝のだし香る・ゆず塩ラーメン」と「豆乳を使った黒ごまラーメン」となった。 大野さんは「ラーメン一杯にいろいろな技術を込められる。イタリアンやフレンチ、中華、どんなジャンルに就職するとしても、商品を作り提供することへの熱量を持って、いい料理人になってくれるはず。1位のつけ麺は、完成度が高いことと熱量が伝わってきた。思わず採点が厳しくなったが、食べる人のことをよく考えていた」と評する。 麺は冨士麺ず工房の3種から選んで使う。4チームとも、細麺または断面が十字になった「十二麺体」のいずれかを選んで使った。波夛さんは「同じ麺を使っても、作るラーメンによってゆで時間も変わる。ラーメンでは出しにくい苦味を、パセリを使ってチャレンジしたチームなど、アイデアは随所にあった」と話す。 優勝したラーメンは2025年1月以降、ラーメン店「一照庵」で限定メニューとして提供する。
みんなの経済新聞ネットワーク