突然のラップに頭揺さぶられた…原作の面白さに拍車をかけたMVPは? ドラマ『無能の鷹』 第3話考察レビュー
やっぱりコメディじゃん! 突然のラップバトルが勃発
コメディの中でこんな深いテーマを提示しつつ、取引先とラップバトルが勃発し、「やっぱりコメディじゃん」とこちらの思考を揺さぶってくるのは原作の『無能の鷹』とも共通する点。ドラマでそれがアップデートされているとするなら、さとうほなみの存在だ。 上司を問い詰めたり言い返す姿を見せたかと思えば、居酒屋では鳩山(井浦新)と雉谷(工藤阿須加)の前で酔っ払ってくだを巻く。女性中堅会社員としての強さと弱さを見せながら、最後には見事なフロウのラップバトルまでをこなし、「そうだ、この人ほな・いこかというミュージシャンだったよね」と思い出させてくれる。 10月クールでは『わたしの宝物』(フジテレビ系)にも出演しており、女優としての勢いはとどまるところを知らないが、役だけに関して言えば鵜飼はさとうほなみだったからこそ成立していると感じさせる。 第3話でも鷹野はラフなパーカーさえも華麗に着こなし、“さすが菜々緒”を強く示したが、それは他の役も同じ。何気ないコメディの中で重要なテーマも教えてくれる『無能の鷹』は、それぞれの配役もキラリと光る作品となっている。 【著者プロフィール:まっつ】 1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
まっつ