ベンチ形状のアート作品お目見え…JR福崎駅前、「銀の馬車道」をPR
かつて兵庫県朝来市の生野鉱山と姫路市の飾磨津(姫路港)を結んだ高速産業道路「銀の馬車道」(49キロ)をPRするため、ベンチの形をしたアート作品が同県福崎町のJR福崎駅前にお目見えした。訪れた観光客らにSNSなどで発信してもらおうと、県や沿線市町、鉄道会社などでつくる銀の馬車道ネットワーク協議会が約200万円をかけて作った。
馬車道の大部分は現在、国道や県道になっているため、沿線自治体などはかつての沿線付近にシンボルとなる作品を設置したり、サイクリングコースを設けたりして、その歴史を周知しようとしている。
今回の作品は馬車道を行き交った馬をイメージしたステンレス製(幅2・42メートル、高さ0・98メートル、奥行き0・5メートル)。座るだけでなく、端に自転車をかけて休憩やメンテナンスにも利用できる。馬車道のいわれなどを記した説明書きも添えられ、同協議会の中元孝迪会長は「観光客に情報発信していただけたら」としている。
作品は13日にお披露目された。デザインした南アフリカ出身の工業デザイナー、ケビン・ネルさん(朝来市在住)によると、外国人観光客の間で馬車道はあまり知られていないという。ネルさんは同県の神河町や市川町でも同様の作品を制作しており「こうした芸術が、馬車道の起源を知るきっかけになれば」と話していた。