ソフトバンク、4軍制の厚みを発揮した粘り勝ち FA加入の主軸のピンチを育成出身の23歳が救った
◆オリックス0―1ソフトバンク(16日、京セラドーム大阪) ソフトバンクに思いも寄らぬアクシデントが襲った。4回2死、中前打で出塁の近藤健介が二盗した際、スライディングで右足を痛めた。試合後、大阪市内の病院へ向かった近藤に小久保裕紀監督は「戦列を離れるようなことに、もしなれば(チーム戦略を)全部練り直さないといけない。無事を祈るばかり」と願った。 ■優勝秒読み…小久保監督が試合前に話すのは?【写真】 緊急事態の中、0―0の7回に均衡を破ったのが代打攻勢だった。先頭・近藤に代わって登場した34歳・中村晃が左前打で出塁。相手失策も絡んで迎えた1死二、三塁、指揮官は「三振しない選手。そのあたりに託しました」と野村勇の代打に23歳・石塚綜一郎を指名した。 5年目の捕手は、昨季3、4軍の非公式試合でチーム最多の22本塁打を放った打力が買われ、今年7月24日に育成から支配下に昇格。長打力を生かすべく一塁、三塁、左翼も守る。「代打は〝割り切り〟が大切」と代打の極意を伝授してくれたのは、現役時代に勝負強さで定評のあった大道典良3軍打撃コーチや、打撃職人の異名を取った長谷川勇也R&D担当だった。 その教え通りに「事を起こさない限りは、何も起きない」と5球すべてスイングし、左腕曽谷の142キロフォークを左翼フェンス手前まで運ぶ左犠飛。フリーエージェント(FA)で加入した主軸をピンチを、育成上がりの代打男が救うという「4軍制」のソフトバンクならではの決勝点となった。 この1点を先発石川柊太からオスナ、杉山一樹の零封継投で守り切っての7連勝。優勝マジックを5とした。最短の優勝決定は18日で、地元福岡での試合が17日から5試合続く。4年ぶりVへ待望の〝本拠地胴上げ〟が見えた。 【#OTTOホークス情報】 【▼おすすめ記事は下記関連リンクから▼】 「戦線離脱となれば全部練り直さないと…」(小久保監督一問一答完全版より)
西日本新聞社