『釣りバカ日誌』ロケで訪問、宿泊した渥美半島の宿の代表が西田敏行さんしのぶ「ざっくばらん」「港町を世に知らしめてくれた」
数々の映画やドラマで存在感のある演技を披露してきた俳優の西田敏行(にしだ・としゆき)さんが東京都内の自宅で17日までに死去した。76歳。東京都出身。映画「釣りバカ日誌」シリーズのハマちゃん役やドラマ「池中玄太80キロ」「西遊記」「ドクターX」などに出演。バラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」では司会も務めた。 西田さんは代表作、映画「釣りバカ日誌」のロケで訪れるなど、愛知県にもゆかりがあった。渥美半島などを舞台にした1989年公開のシリーズ第2作で撮影現場となった同県田原市の老舗旅館「和味の宿 角上楼」の上村純士代表(62)は「西田さんのざっくばらんでムードメーカー的な雰囲気が印象的でした」と故人をしのんだ。 ロケは今から35年前。角上楼は知多半島の釣り宿の設定で登場し、西田さん演じる浜崎伝助が裸踊りなど宴会でどんちゃん騒ぎをするシーンの撮影に使われた。ロケのため、西田さんは角上楼の「松の間」に2泊したという。 上村さんは「三国連太郎さんは圧倒的な存在感で、いるだけで周囲がピリッとした。西田さんは周りに気を配り、場を和ませていた」と当時の様子を振り返る。覚えているのが撮影後の夜の食事。お酒も入った演者やスタッフの席に上村さんの母で、当時大女将(おかみ)だった品子さん(96)が招かれた。品子さんは当時を振り返り、「西田さんはとても優しい方だった」と話していたという。 上村さんはこの日午後、テレビのニュース速報で訃報に接した。「突然のことで驚いた。映画を通して渥美半島の港町を世に知らしめてくれた恩人だと思っているので感謝の気持ちとともに本当に残念な思いです」と語った。
中日スポーツ