EVメーカーからAIロボット企業へ、トランプ再選で注目を集めるテスラへの追い風
テスラは今、自動車メーカーの枠を超え、新たな領域へと進化しようとしています。2024年10月10日(米国時間)、カリフォルニア州のワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画スタジオで開催されたイベント「We, Robot」。その名称が示す通り、この場でテスラは電気自動車(EV)メーカーという従来のイメージを大きく塗り替える戦略を明らかにしました。
サイバーキャブに見る未来の自動車像
中心となったのは、AIと自律技術を核とした新たなプロダクト群です。未来的なデザインの自動運転タクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」、運転席のない自律走行車「Robovan(ロボバン)」、そして人型ロボット「Optimus(オプティマス)」の進化版などが発表されました。これらは単なる製品紹介にとどまらず、テスラが目指す次世代のビジネスモデルを体現するものと言えます。 イベントで披露されたサイバーキャブは、テスラの電動ピックアップトラック「Cybertruck(サイバートラック)」を彷彿とさせるシルバーデザインが特徴的で、SUVスタイルのコンパクトなフォルムを持っています。ドアは斜め上に開くシザータイプで、充電は非接触式という未来的な仕様です。イーロン・マスクCEOは「2027年よりかなり早く量産を開始する」と語りましたが、具体的なスケジュールについては明かしませんでした。 また、テスラはサイバーキャブをはじめとする自動運転タクシーサービスの将来性を強調しました。マスク氏は「自動運転は人間の運転よりも10倍安全になる」と断言し、エレベーターの進化を例に挙げながら、「車もボタン一つで目的地に到達する時代が来る」と説明しています。
ロボバンとオプティマス:自律技術の拡張
さらに、イベントではテスラの技術的ビジョンを具現化する2つのプロダクトも披露されました。1つは「Robovan(ロボバン)」で、完全な自律走行を前提としたマイクロバス型の車両です。この種の車両は都市部での共有モビリティや物流ソリューションとして大きな可能性を秘めています。 もう1つは人型ロボット「Optimus(オプティマス)」で、家庭や工場での実用を目指した製品です。マスク氏は以前から「オプティマスはテスラの全体価値を上回る潜在性を秘めている」と発言しており、AI技術の進化がもたらす汎用ロボット市場の可能性に大きな期待を寄せています。