「えらい!」は子どもの自己肯定感を下げる!? 児童精神科の現役看護師が教える“褒めかた”
子育てには悩みはつきもの。あなたの言動で、無意識に子どもの心を傷付けているかも......?! 「子どもが安心感・自己肯定感を持つためには」「子どものこころを守るために知っておきたいこと」など、子どもと子どもと接する際に気を付けたいポイントを、児童精神科の病棟看護師・こど看さんの著書『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』よりご紹介します。思春期までの子を持つ親や子どもとかかわる仕事に就く人は必見! 東大の名誉教授もおすすめ! 子どもの自己肯定感が上がる、たった1つのこと
子どもの自己肯定感を下げない褒めかた
子どもが挨拶をした、お手伝いをしてくれた、自分から宿題に取り組んだ......。これらの行動に対して、あなたならどんな言葉で褒めるでしょうか。ズバリ言い当ててみせますね。 「すごい!」「えらい!」「がんばったね!」のどれかではないでしょうか? 当たったかどうかはさておき、私はこれらの言葉が悪いとはまったく思っていません。むしろどんどん使ってほしいと思っているくらいです。ただ、こういった褒め言葉は、子どもが大人の期待に応える行動をしたときに出やすい言葉だということは、 頭の片隅にとどめておきたいと思っています。 たしかに「すごい!」「えらい!」などの言葉を聞いた子どもは喜ぶでしょうし、また次も褒められるようにがんばろうと思うはずです。しかし、このような「大人の期待に応えたときにだけ褒める」という方法を繰り返していると、子どもの自己肯定感が低下してしまうことがあります。 大人に置き換えて考えてみましょう。例えば、あなたが仕事で何か成果を出したとします。そのとき、上司や同僚から「こんなに売り上げを上げるなんてすごいね!」 「君は職場に貢献して本当にえらいよ!」といった感じで、成果だけを評価される形で褒められ続けたとします。最初は誇らしい気分になるかもしれませんが、人間なので成果をずっと出し続けるということは不可能です。すると、「次も成果を出せるかな」 と心配になったり、「成果を出せなかったら異動させられるかもしれない」と不安を感じたり、「いろんな形で会社に貢献しているのに、成果でしか評価されない」と不満や怒りを感じるかもしれません。 このように、「成果を上げなければ褒められない」「成果だけに注目されて褒められる」という状況は、大人であっても非常につらいものです。だからこそ、成果だけを見て褒める言葉の代表格である「すごい!」「えらい!」「がんばったね!」一辺倒の褒め方はおすすめできないのです。 では「すごい」「えらい」「がんばったね」を使わないで、どのように褒めればいいのでしょうか。それは、「子どもから受けたよい影響をそのまま言葉にする」という方法です。