【特集】「障害者のわたしが先生になる理由」パリ・パラリンピックでメダルを目指す片腕のスイマーの教育実習に密着 障害があるからこそ伝えられること
2024年のパリ・パラリンピックを目指すアスリートが、先生になるため教育実習に臨みました。障害を持つ彼女が教壇で子どもたちに伝えたい思いとは? 【宇津木さんの笑顔は動画で】「パリパラリンピックを目指す片腕のスイマー もう一つの夢は小学校の先生」
日本代表のキャプテンを務めるスイマーの夢は「小学校の先生」一か月の教育実習に密着
2023年9月、障害者のトップスイマーが出場する国際公認大会、レース直前でも、満面の笑顔でひときわリラックスしている女性がいました。宇津木美都さん。彼女は右腕のひじから先が生まれつきありません。2021年の東京パラリンピックに出場し6位に入賞した彼女、2024年のパリではメダルが期待されており、日本代表のキャプテンも務めています。そんな彼女のもう一つの夢、それは小学校の先生です。
(宇津木美都さん) 「両親はどっちも小学校の先生でそれに憧れたのが(教師を目指す)一番大きな理由です。あとは小さい子どもがすごい好き。小さい子がジロジロ見てくると私は腕をまくったりします。スゴイやろって」 夢への第一歩となる教育実習。障害があるからこそ、子ども達に伝えたいことがあります。
教育実習の期間は一か月間。場所は母校の小学校です。朝、登校する子どもたちを笑顔で出迎える宇津木さんの姿がありました。 最初は教壇に立たず授業の見学から始まります。この日は障害者の視点を子どもたちに伝える道徳の授業です。
(指導担当 成宮未希子先生) 「車いすだから出来ないだろうとか可哀そうとか思われることが悲しいと言っていました。宇津木先生にも少ししゃべってもらっていいですか」
(宇津木さん) 「私も(同じことを)言われることが多くて、『可哀そう』とか『大変でしょ』と言われることが多いんですけど、みんなが想像しているよりも車いすの人も、視覚(障害)の人も、私もだけど、けっこう何でも出来て、みんなも出来るはずのことなのに『(やらなくて)いいよいいよ』みたいなことを言われたら自分でやるから大丈夫となるでしょ?」 2020年6月文科省発表の全国の教員で障害者が占める割合は1.27%、さらに小学校に限ると0.69%と1%に満たないのが現実です。宇津木さんは最も少ない小学校の先生を目指しています。
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