スペイン代表FWダニ・オルモ「現代サッカーでは全員が走らないと勝てない。歩くのが許されているのはメッシだけだ」
スペイン代表FWダニ・オルモが、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督率いる現チームの特徴について語っている。 ルイス・エンリケ現パリ・サンジェルマン監督が率いた2022年カタール・ワールドカップでは、モロッコを相手にベスト16で敗退したスペイン。EURO2024にはルイス・デ・ラ・フエンテ監督とともに臨むが、ダニ・オルモによればルイス・エンリケ監督の率いたチームとはプレースタイルが若干異なっているという。 スペインのフットボールカルチャーマガジン『パネンカ』とのインタビューに応じたRBライプツィヒFWは、その違いについて次のように説明した。 「プレー哲学については同じであり続けているけれど、監督毎に特別な“タッチ”があるね。ルイス・デ・ラ・フエンテは僕たちに対してよりダイレクトにプレーするよう、もっと空いているスペースを活用するよう言っている。彼が率いるようになってから、チームはもっとカウンターを仕掛けるようになった」 「システムについてもルイス・エンリケとは違う。中盤も2ボランチとトップ下で構成したりするしね。トップ下は僕が務めることが多いけど、まるで自分の家にいるようにプレーできる。監督は僕のことを完璧に理解していて、どこで効果的なプレーを見せられるのか分かっているんだよ」 今回のEUROは、スポーツ科学の発展によってフィジカル的になりつつあるフットボールの行方を占う大会ともされている。現代フットボールはあまりに速いスピードでプレーされているために、ボールを使ったテクニックやシュートが雑になり始めているのではと指摘されたダニ・オルモは、次のように返答した。 「自分のことはよく働く選手だと思っている。ボールを持っていないときにはチームを助けたり、自分のポジションに戻ったりしなくてはいけない。現代フットボールではそれが根幹となるんだ」 「バルサ監督就任前のチャビが、選手のフィジカル能力は限界まで引き出されており、ここからフットボール的係数を引き上げる必要があると言っていた? 確かに、今はテクニックよりもアスリート的な特徴が強調されている。フットボールは進化を続けているんだ。ただ、それでもその本質は失われていないよ。例えば、ガビやペドリは昔ながらの特徴を持つ選手たちだ。彼らはテクニック系の選手たちであり、皆を楽しませてくれる」 現代フットボールでは走ることが必須だとして、ガビやペドリ、さらに自身がプレーを楽しめているのかを問われると、こう返している。 「だけど現代は、走らないと勝てないんだよ! 今、フットボールで唯一歩くことを許されているのはメッシだ。そのほかはボールを持っていないときに汗を流さないといけない。そうしなければ、相手がその状況を利用するだけなんだよ」 エスパニョール、バルセロナの下部組織で過ごした後、16歳でクロアチアのディナモ・ザグレブに渡ったダニ・オルモ。クロアチア代表のEURO2024初戦の対戦相手でもあるが、同国には特別な思い入れがあるようだ。 「クロアチアで、僕はダニ・オルミッチと呼ばれているんだよ(笑)! 素晴らしいあだ名と思う。それは僕があの国に適応したことを意味しているからね」 「クロアチアは小さな国だが、スポーツ大国でもある。僕たちテラサ(カタルーニャの町で、ダニ・オルモのほかチャビ監督の出身地でもある)の人間と少し似ているかもね。彼らはスポーツをプレーすることに関して生来の賢さがあり、またメンタリティーもほかとは違う。クロアチアの人々の意思の強さは、並外れている。本当に負けず嫌いなんだ」 「彼らは信じられないような競争者たちであり、だからこそ打ち破るのが困難なんだ。スペインはEURO初戦で彼らと戦うが、僕にとっては特別な一戦となる。あの国にはいつだって大きな敬意と愛情を抱えているよ」