京都国際・長谷川 颯外野手

＜第106回全国高校野球選手権大会：京都国際3ー2青森山田＞◇21日◇準決勝◇甲子園 【トーナメント表】夏の甲子園　準決勝までの結果一覧 　夏の甲子園初の決勝進出を果たした京都国際。今春のセンバツで惜しくも敗れた青森山田を相手に逆転勝ちで決勝への切符を掴んでいる。 　序盤は苦しい展開となった。初回からエースの中崎 琉生投手（3年）が青森山田打線に2失点。奇しくも今春センバツと同じ展開に、「2点を先制されて、『やっぱりだめか』とベンチにも漂っていた」と指揮を執る小牧 憲継監督も話す。それでも、「関（浩一郎投手・3年）君の登板で選手たちにもう一度スイッチが入った」と青森山田のエース右腕登場に野手陣が奮起。6回に一死満塁の好機を作ると、長谷川 颯外野手（2年）が2点適時打、服部 颯舞内野手（3年）のピッチャーゴロの間に3塁走者が生還して3点を奪い、逆転に成功した。 　同点打を放った長谷川は守備でもチームを救った。勝ち越した直後の6回裏、青森山田が一死一塁で右前安打を放つと1塁走者の原田 純希内野手（3年）が3塁へ向かったところに鋭い送球を送りアウトを奪った。流れを引き寄せる好プレーに、「センバツで悔しい思いをした長谷川が同点タイムリーを打ち、ライトからの送球でアウトにしてくれた。本当に感動しました」と指揮官も絶賛。長谷川も、「3塁に行かれたら点を取られてしまう場面だったので、なんとしても自分が刺そうと思って投げました」と振り返っていた。 　またこの日は大会を通じて初の継投策を取った。「中崎が思ったよりアップアップだったので、ここは勝負と見て、思い切って変えました」と小牧監督が説明したように、5回から中崎に変えてここまで無失点投球が続く西村 一毅投手（2年）へとスイッチ。5回を0に抑え、期待に応える見事な投球を見せた。小牧監督は、「投げるたびに成長して、たくましくなったなと思います。投げてるボールもそうですが、冷静に落ち着いて投げれる術を甲子園で身に着けてくれていると思います」と力投続く左腕を称えていた。 　次戦は京都国際と同じく初優勝を狙う関東一と対戦。京都府勢68年ぶりとなる夏の甲子園制覇に挑む。