14年ぶりの正月祭 住民が1年の平穏無事祈る 福島県南相馬小高の初発神社
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島県南相馬市小高区岡田の初発(はじめ)神社で2日、14年ぶりに正月祭が執り行われ、住民らが1年の平穏無事を祈願した。 神事には氏子総代ら約20人が出席。相馬小高神社の宮司が祝詞を奏上し、出席者が玉串をささげた。岡田芸能保存会が獅子頭を使った神楽舞を披露した。地域住民らが獅子に頭をかんでもらい、家内安全や無病息災などを願った。氏子総代長の田村忠雄さん(77)は「正月祭を皮切りに、春季例大祭や新穀感謝祭なども行いたい」と話した。 地域の神社として長く愛されたが、震災で損傷。小高区が原発事故で避難指示区域となり、立ち入れなくなった。氏子総代らが代々受け継がれてきた神社の修復に着手。2020(令和2)年に社殿を修繕し、2022年に社務所を建て直した。倒れた灯籠やこま犬なども直し、正月祭の再開にこぎ着けた。