首相官邸前に“車で突入”し逮捕された容疑者は依然黙秘 「今思えば」父が明かした近況と過去
「(息子が事件を起こしたのは)事件当日の朝、警察から聞きました。家宅捜索をするから立ち会って欲しい、と。息子とは同居をしていましたが、干渉はしなかったので、(事件を起こすまでは)何をやっているのかは分かりませんでした」 官邸襲撃事件で逮捕された臼田敦伸容疑者の最近の様子についてこう明かしたのは、埼玉県川口市の容疑者宅で同居する父親だ。 10月19日午前5時45分ごろ。東京都千代田区永田町の自民党本部に白のワンボックス車で乗り付け、火炎瓶のようなものを複数回投げつけた男が公務執行妨害容疑で逮捕された。男は防護服のようなものに身を包んでいたという。 逮捕された男は過去に反原発運動に参加していたことがあり、憲法違反だとして選挙の供託金制度廃止も訴えていたという。
車にはガソリン入りポリタンク約20個
警視庁担当記者が事件の経緯について説明する。 「逮捕されたのは埼玉県川口市・職業不詳の臼田敦伸容疑者(49)です。臼田は自民党本部に火炎瓶を投げつけ、警視庁機動隊の車両の一部などを焼損後に車で逃走。数百メートル離れた首相官邸の柵に車で突っ込み車を停車させたあと、発煙筒のようなものを警備中の警察官に投げたとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕されました。 臼田の車にはガソリンの入ったポリタンク約20個や液体が入ったガラス瓶が積載されていました」
東日本大震災以降反原発運動に傾倒
臼田が乗っていた車の車内には焼けた跡があり、積載していた可燃物に引火させようとしていた可能性も考えられる。あやうく大惨事になりかねなかった今回の事件――。同居していた父親は、「息子は東日本大震災後から反原発運動に携わっていました」と臼田の過去を吐露する。 「息子は高校を卒業後にウェブデザイナーをしていました。大型二種免許も取得していたのでバスやトラックの運転手などもしていましたが、東日本大震災後に原発の危険性を危惧して反原発運動に携わるようになったんです」 父親によると、原発反対運動に携わるようになった臼田は仲間らとともに、テント生活を行いながら大飯原発反対運動に参加。そのほか、原発廃材受け入れを巡り、自治体で抗議活動なども行っていたという。