“オヤジを狙え” 化粧品各社がスキンケア商品で熱視線
女性向けの印象が強い化粧品市場ですが、最近化粧水や乳液といったスキンケア商品を求める中高年男性が増えています。女性の社会進出が定着し、男性の身だしなみ意識も高まっていることが背景にあり、化粧品各社は40歳代に加え、これまで手薄だった50~60歳代男性の市場開拓を意識し始めています。
オフィスに女性増え身だしなみを意識
経済産業省の生産動態統計調査によると、2013年のメンズコスメ・スキンケア市場は約220億円で、10年間で二倍近くに拡大しており、右肩上がりで伸びています。 マンダムではもともと男性向けボディケア市場を成長中とみて「ルシード」ブランドでシャンプーやデオドラント剤に力を入れていましたが、2015年8月からは「40歳からの薬用フェイスケア商品」として化粧水、乳液などを発売しました。加齢による肌トラブルをケアしようと、「コエンザイムQ10」と浸透型の「アミノ酸」を配合、肌の角層内部に浸透してうるおいを補給するといいます。価格は1000円程度に設定されています。 同社では「職場に女性が増え、オフィスで匂いなど身だしなみに気をつける中高年男性は増えている」と指摘。これまでは体臭ケアやひげそり跡を整える男性化粧品が主でしたが、若い時からコスメに慣れている団塊ジュニア世代が中年期を迎え、スキンケア商品にも意識が広がり始めているといいます。
2012年から自社ブランド「gg(ジージー)」で化粧品事業に参入した江崎グリコ。同ブランドは角質層にうるおいを与える独自開発のEPAグリコーゲンを配合したのが特徴です。ローションとクリーム、せっけんに加え、12月からはスキンケアの仕上げとなる保湿ナイトジェルを投入しました。 50歳から60歳代の女性がメーンターゲットですが、「統計をとると50歳代の男性の購入が着実にみられる。女性のように何段階もかけてスキンケアするわけではないが、とりあえずクリームを使ってみようといったスキンケア化粧品の入口として注文される人が多いようだ」と話しており、男性向けも対象年齢があがっていることを感じさせます。