ベトナム人関連施設を一斉捜索 盗品集め、輸出か 警視庁など解明へ
ベトナム人の犯罪グループが各地で盗んだ商品を受け取ったとして、警視庁と岐阜、埼玉、千葉、神奈川の4県警の合同捜査本部は27日午前、埼玉、千葉、大阪の3府県4カ所のベトナム人の関連施設に対し、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)などの疑いで家宅捜索に入った。施設は全国から集められた盗品の集積所とみられ、合同捜査本部は、成田空港を経由してベトナムに輸出されていたとみている。 【写真】ベトナム人窃盗グループの関連施設から押収品を運び出す警視庁の捜査員ら=2024年11月27日午前9時9分、埼玉県坂戸市薬師町、長妻昭明撮影 外国人グループによる組織的な窃盗事件の被害品について、国内の流通経路が明らかになるのは極めて異例。警視庁はベトナム国内の指示役がSNSを通じて在日ベトナム人に指示し、犯行を繰り返していたとみて組織の実態解明を進める。 家宅捜索に入ったのは埼玉県坂戸市、千葉県八千代市、同県松戸市、大阪市の4カ所の施設。また、同庁は集積所を管理していたベトナム人の男について、容疑が固まり次第同容疑で逮捕する方針。成田空港への盗品の運搬を担っていたとみている。 同庁によると、日本にいるベトナム人がドラッグストアから化粧品やサプリメントを盗むと、ベトナムにいる指示役が配送先の集積所を指定。集められた盗品は成田空港に運ばれ、ベトナムに渡っていたという。盗品はその後、ベトナムで転売されていたとみられ、同庁はベトナムの指示役についても捜査する方針。(藤田大道、長妻昭明、遠藤美波)
朝日新聞社