『ザ・ノンフィクション』大反響の婚活男性たちが結婚へ――カリスマアドバイザーが語る変化「努力をする人は結婚できます」
■“ザ・昭和”男性でも“スポンジ状態”で吸収 進藤さん以上に変化が大きかったというのが、内田さん。最初は「子どもが欲しい」という希望があり、年が離れた人にばかり会っていたそうだが、「子どもにこだわりすぎず、人生100年時代でまだ45年あるんだから、元気で健康で明るい人と2人で楽しい人生を送ろう」という植草氏のアドバイスを受け止め、対象を50代まで広げて会うようになっていた。 50代になると、人生経験豊富で自分の考え方が凝り固まり、それを変えることは難しいのではないかと想像する。それでも内田さんが柔軟に対応できた理由の一つは、「スタートの心構えと準備がちゃんとできていたから」だという。 「内田さんは“ザ・昭和”な男性なんですけど、長年ほかの相談所で結婚できなくてこちらにいらっしゃったので、25kgのダイエットをしてスタートするほど気合を入れて来られたんです。カウンセリングでは毎回怒られてばかりでしたが、ノートにびっちり私の言ったことをメモして、“言うことを聞いていればなんとかなる”という気持ちでいたそうで、“スポンジ状態”で吸収していく人でした」 ただ、脱毛や筋トレに注力するなど、美意識の高い内田さんは、女性にもそれを求めてしまう傾向があり、いわゆる美人ばかりを選んで会っていた。そんな彼の考えを変えたのは、最愛の母の急死だった。 「婚活のことを話す内田さんに、お母様は“人間は外見より中身”ということをずっとおっしゃっていたそうなんですが、そのお母様が、内田さんの出張中に体調を崩され、急死されてしまったんです。そのことがあって、私がいつも言っていた“顔はついてればいいんだよ”という言葉の意味に気づいて、元気・健康・明るさが妻の要素として一番なんだと理解してくれたんだと思います」
婚活は「大学受験に似ている」
植草氏のアドバイスを真摯(しんし)に受け止め、真面目に取り組むことで内面が大きく変化した2人。植草氏はこの成功体験を「大学受験に似ていると思います」と表現する。 「東大に入ろうと思ったら東大に入れるような塾に行かなきゃいけないし、教わる一方じゃなくて、自分で実力を身に付けないと問題は解けないですよね。婚活もそれと同じなんです」 「結婚相手は“縁”」と言われることもあるが、植草氏は「決して縁だけではないですね」と、“努力”も大きな要素であることを強調。 「進藤さんや内田さんだけでなく、会員さんはみんな頑張っています。こちらが教えても努力をする人としない人に分かれますが、努力をする人は結婚できます。努力しない人は何も変わらないので、どこの相談所に行っても同じだと思います」とのことだ。
●植草美幸 1995年、アパレル業界に特化した人材派遣会社「エムエスピー」を創業。自身がコンサルも手がけた大手アパレルメーカーの店舗は最大で25店舗まで至ったが、リーマンショックを機に、09年に結婚相談業を開始、その後事業転換。アパレル業でのコンサルの経験を武器に、異性に好まれる「婚活ファッション」を提唱して数々の未婚の男女を結婚に導き、年間で受ける恋愛・結婚相談の件数は約2,000件を超える。現在でも婚活現場の最前線に立ち、日々一人一人の会員と向き合いながら成婚カップルを輩出している。
中島優