全米女子オープン初日、ネリー・コルダがパー3で悪夢の『10』。メジャー制覇は絶望的な状況に「私も人間です」
笹生優花単独トップと絶好のスタートを切った最高峰のメジャー全米女子オープン初日、今季8戦6勝を誇る絶対女王ネリー・コルダのメジャー連覇に期待がかかるなか序盤のパー3でまさかの『10』。自己ワーストタイの80を叩き優勝どころか予選突破も難しい状況に陥った。
難コース、ランカスターCC(ペンシルバニア州)に強風が吹き全米女子オープンらしいタフなセッティングとなった大会初日、10番スタートのコルダは12番161ヤードのパー3で3度クリークにつかまり8オン2パットの10を叩いた。 前の組のトラブル処置に時間がかかりティーイングエリアで20分以上待たされたコルダは6番アイアンか7番アイアンかで迷い大きいほうのクラブを選択。するとティーショットは風のいたずらもありグリーンをオーバーし奥のバンカーにつかまった。 運が悪いことにボールはバンカーの中の葉っぱの上。スピンをかけることができず打球はグリーンを横断してクリークへ。ドロップして打った4打目も水面に消えると頭を抱えしゃがみこんだコルダ。同じ場所からの6打目もクリーク。8打目でようやくグリーンに乗せたがファーストパットが入らずパー3で前代未聞の10をマークした。 「本当にひどいアプローチを何度も何度も打ってしまいました。(葉っぱの上からのバンカーショットについては)本当に何もできませんでした」 思えば昨年ペブルビーチGLでおこなわれた全米女子オープンでも最終日に自己ワーストの80を叩いたコルダ。今大会は鬼門なのか昨年に続き2ラウンド連続の80(10オーバー)で早くも今季7勝目、メジャー2試合連続Vの夢は砕け散った。 大会前はライバルたちが自分のこと以上にコルダがいかに凄いかを口々に語っていた。 すでにツアー2勝を挙げている20歳のローズ・ジャンは「ツアーで1つ勝つだけでも難しいのにそれを短期間で6度も達成するなんて。私たちはとんでもない歴史を目撃しています」といい、ディフェンディングチャンピオンのアリソン・コーパスは「現時点で彼女だけが別のリーグ(次元)にいます」。今季限りで現役を引退するレキシー・トンプソンも「素晴らしい」を連発する。 ではコルダ本人の感想は? 「私も人間です。調子の悪い日もあります。ここまで堅実なゴルフを続けてきましたが、今日はただ悪い1日だったということです」 いっぽう21人が出場している日本勢は単独トップの歴代チャンピオン笹生優花(2アンダー68)を筆頭にイーブンパー5位タイの好位置に吉田優利と岩井千怜がつけている。 またここのところ不調の渋野日向子も1オーバー15位タイと久々に好調な滑り出し。同じく15位タイには古江彩佳、河本結が並んだ。まだ試合は始まったばかりだが今から週末が楽しみだ。
川野美佳