「第29回新藤兼人賞」カンヌで受賞した山中瑶子が金賞、『侍タイムスリッパ―』の安田淳一が銀賞
日本映画の独立プロ57社によって組織される日本映画製作者協会に所属する現役プロデューサーが、その年度で最も優れた新人監督を選ぶ「第29回新藤兼人賞」の各賞受賞者が発表された。2024年度は、215作品が選考対象となり、最終選考監督12人(12作品)の中から、金賞は山中瑶子(やまなか・ようこ)監督(『ナミビアの砂漠』)、銀賞は安田淳一(やすだ・じゅんいち)監督(『侍タイムスリッパー』)がそれぞれ受賞した。 【画像】受賞者たちの対象作品の場面写真やポスター 山中監督は、世の中や人生に退屈し、やり場のない感情を抱えながら生きる21歳の主人公・カナを俳優の河合優実が演じた青春物語『ナミビアの砂漠』で、5月の「第77回カンヌ国際映画祭」国際映画批評家連盟賞を女性監督として最年少で受賞。 安田監督は、京都の米農家でもあり、監督、脚本、原作、撮影、照明、編集/VFX、整音、タイトルデザイン/タイトルCG製作、現代衣装、車両、制作…と1人11役以上を務め、わずか10人足らずのスタッフと、東映京都撮影所が特別協力した『侍タイムスリッパー』が絶賛拡大上映中で、話題になっている。 この賞は 「新人監督たちを発掘、評価し、今後の日本映画界を背負ってゆく人材を育てたい」 というプロデューサーたちの思いから1996年に「最優秀新人監督賞」として始まり、2000年より、日本のインディペンデント映画の先駆者である新藤兼人監督の名前を冠した現在の名称となった。完成度や将来性のみならず、「この監督と組んで仕事をしてみたい」 「この監督に映画を作らせてみたい」というプロデューサーの観点を含む日本で唯一の新人監督賞。 受賞者には、正賞の新藤兼人監督デザインのオリジナルトロフィーと、副賞として、金賞には賞金50万円並びにUDCast賞(※)、銀賞には賞金25万円が贈られる。 ※UDCast賞=Palabra社より、金賞受賞作のバリアフリー版制作及びUDCastを提供。受賞作がバリアフリー化されている場合は、金賞受賞監督の次回作に提供。 また、“優秀な作品の完成に貢献を果たしたプロデューサーや企画者”の功績を称えることで映画製作者への刺激を与え、日本映画界の活性化につなげたいという願いから2005年に創設されプロデューサー賞は、関友彦(せき・ともひこ)氏に贈られることが決まった。は賞のクリスタルトロフィーと、副賞として賞金50万円が贈られる。 関氏は、『箱男』(プロデューサー/製作プロダクション)、『あんのこと』(プロデューサー/制作プロダクション)、『若武者』(プロデューサー/製作プロダクション/配給)に携わった。 第29回授賞式は、12月6日正午より東京・如水会館スターホールにて開催の予定。