iDeCoやつみたてNISAなどは「ほったらかし投資」だと聞きますが、本当に放っておいていいのでしょうか?
資産運用の王道は「長期・積立・分散」の3つだといわれています。この手法にあった投資制度がiDeCoやつみたてNISAです。 手間や時間をかけずに、長期で運用することを最近では「ほったらかし投資」などともいいますが、こうした運用をするのに有効な制度であると考えられます。しかも、税制面で優遇が受けられることもあり有利に運用できます。 今回は、この2つの制度を確認し、「ほったらかし投資」をするための留意点について解説したいと思います。
iDeCoとは?
自分で決めた掛け金を積み立て、運営管理機関が選定・提示する運用商品(投資信託、保険商品、預貯金等)の中から、自分で選んで運用し、60歳以降に受け取ることができる私的年金制度です。 したがって60歳になるまで、原則として資産を引き出すことはできないので留意が必要です。 年金額は、掛け金とその運用益の合計額をベースに決まりますが、税制面での優遇としては、掛け金が全額所得控除となり、運用益も全額非課税となることがあげられます。 さらに、年金として受給する場合には、公的年金等控除を受けることができ、一時金として受給する場合は、退職所得控除を受けることができます。
つみたてNISAとは?
「つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です」と金融庁のホームページに記載されているとおり、運用の王道である「長期・積立・分散」投資を日本政府が後押しする制度であるといえます。 2024年1月から制度が改正となり、年間投資枠が、40万円から120万円に3倍に拡大され、非課税保有期間が20年間から無期限となります。 つまり、本制度を利用して各年に購入した投資信託から、保有している間に得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)については、非課税保有限度額内(成長枠投資と合算で1800万円、成長投資枠は1200万円を上限とします)であれば無期限に課税されることがなくなります。 ただし、従来のつみたてNISA制度で保有していた商品は、ロールオーバーができません。つまり、新NISA制度に移管ができないので留意が必要です。