ジムニーでGクラス、2500万円の80スープラ。カスタムカーのプロが「東京オートサロン2024」で唸った珍稀車

クルマ造りのパイオニア・鹿田能規さんに、今気になる“珍稀車”を紹介してもらう本コラム。

鹿田能規さん●関西と関東に拠点を構えるエスアンドカンパニー。スーパーカーからノスタルジックカーまでクルマ作りの第一人者として全国にその名を馳せる。

今回鹿田さんは、日本最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2024」に潜入。そこで彼が出合った珍しい車たちとは……。

メーカーが本気で「カスタム市場」を刈り取りに来た！

今回は「東京オートサロン2024」へ行ってきました。いやぁ～、いろんな意味で“行き着いた”感があった気がしますね。 まず取り上げたいのが、TOYO TIRES（トーヨータイヤ）さんのブースに展示されていた「スバル レガシィ アウトバック BOOST GEARパッケージ コンセプト」。毎年行われているカスタムカーコンテストで「ドレスアップ・SUV部門の最優秀賞」を受賞した1台です。 受賞したから取り上げた訳じゃないんです。こういう車は、これまでカスタムショップが提案してきた。それが、メーカー自らここまで提案しちゃった、ってことで。

スバル レガシィ アウトバック BOOST GEARパッケージ コンセプト／スバル。タイヤはもちろん、リフトアップしたときの定番・トーヨータイヤのオープンカントリーを履いています。

マッドタイヤ、ルーフに載せるラック、車高上げキット。このキャンプ仕様3点セットが全部入っちゃっている。しかもボディの横にケータイとかグローブとか挟んでおけるギアまでついてるし。カーゴトレーラーまで牽引しちゃって。キャンプに出掛ける車の集大成みたいな車。足し算or引き算かで言えば、足し算が多い気がします。 キャンプが一過性のブームじゃない証拠です。メーカーまで刈り取るために参入してきている。凄い時代ですよ。この車で下のスノーピークのトレーラーを引いたら、完璧じゃないですか。

フィールドトレーラー／スノーピーク。車じゃなく、トレーラーの上にテントを載っけるという発想。

メーカーが目を付けたのは、SUVだけじゃありません。例えばBMW M2のカスタムカーね。BMWのモータースポーツを担うM社が開発した「M パフォーマンスパーツ」を装着した1台だけど、見た目はもはやガンダムちっくな仕上がり！

BMW M2 Competition／BMWグループジャパン。メーカーがこれだけのモノを出してくるということは、それだけカスタム文化が認知されているということでしょうね。

ホイールは鍛造センターロックだし、マフラーは4本だし。至るところにカーボンが使われていて。アフターパーツ店泣かせですよ。エアロパーツなんか、チューニングショップに車を持ち込んでやるものだったのに。それがディーラーでコーヒーでも飲みながらカタログ見て注文すればいいんですから。