「こんなの無理」勉強しながら思わず涙 医学部マンガ「Dr.Eggs」が描く世界はリアル?
人と接する医師として技術以外に必要なものは?
――マンガでは、アルバイトも大事、それも飲食店がいいというシーンが出てきます。 三田先生:医師になるには知識や技術だけでなく、人間性も磨かなければいけません。そのためには飲食のアルバイトがおすすめだとKさんに聞いて、モデルとして使わせてもらいました。 Kさん:僕はイタリア料理店で6年間、接客のアルバイトをしていたのですが、お店に来た方に礼儀正しくあいさつをして、料理の説明をしてコミュニケーションを取るというのは、初対面の患者さんと短時間で信頼関係を築き、話を聞くことにつながる気がしています。当たり前にできることのようですが、医学部にこもっているだけでは培われないスキルかもしれません。 Sさん:医学部は少し閉鎖的な面があるので、仲間との助け合いが欠かせない半面、意識しないと、いつも同じ仲間で固まりがちです。僕は単発でイベントスタッフのバイトをしていますが、医学部以外の人と会うと、考え方や常識に「へえ」と思うことがあって、外との関わりを持つことが重要だと思っています。 ――医学部の生活は、勉強にサークルにアルバイトにと濃密ですね。 Kさん:だからこそ楽しいんです。真面目に勉強ばかりしているイメージがあるかもしれませんが、そこは大学生なので、「レポート面倒だね」という話もするし、遊びや恋愛にも一生懸命だったりします。膨大な量の試験範囲や課題と闘い、終わったらわずかな時間で思い切り遊ぶ。それが医学部の生活です。 Sさん:僕は部活がオンオフのいい切り替えになっています。3年になった今は部活の運営も任されて忙しいものの、その忙しさがまた充実感につながっていたりもします。 勉強量の多さに関しても、山を乗り越えるたびに医学に興味がわいたり、「どうしたらいい医師になれるんだろう」と考えるようになったりと、この2年間でひと皮もふた皮もむけた気がしています。最近では、医学部の大変さって、医師としてやっていけるかどうかを試されているんじゃないかとすら思うようになって、意外と医学部が合っていたのかも、なんて思いますよ(笑)。