獣の皮保管冷凍庫設置、CFで 館山のジビエレザー工房が協力呼び掛け(千葉県)
館山市で有害獣の皮を革製品にする工房「伝右衛門製作所」を営む合同会社DIEM(本社・南房総市)は、イノシシやキョンの皮を保管するため、原皮(剥いだ状態の皮)の保管用冷凍庫などを設置する費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。目標は300万円で、代表の大阪谷未久さん(32)は「今後も持続的に皮を活用するために保管場所は必要不可欠」と協力を呼び掛けている。30日まで。 大阪谷さんは大阪府出身で、大学時代に南房総市内で農業体験をしたことをきっかけに、都内の一般企業の勤務を経て、2021年に南房総市に移住した。館山市内のジビエ加工処理施設に勤務しながら、革職人としての腕を磨き、24年4月に自身の工房を開業。革製品を通して、獣害といった地域課題の現状を多くの人に伝えていく活動をしている。 だが今年5月、それまで農家に借りていた原皮保管用の冷凍庫と加工所が、事情によって使えなくなってしまった。大阪谷さんによると、革の加工には最低30枚ほどの原皮が必要。だが、今のところ1カ月間に集まる原皮は10枚程度で、加工に必要な枚数がたまるまでは、集めた皮を冷凍して保管しておく必要があるという。 そこで、かねて購入していた南房総市内の古民家を改装して、原皮保管と加工ができる作業所を新たに立ち上げることにした。今回のCFで集める資金は、皮を洗浄する作業スペースの改修と保管用の冷凍庫・冷蔵庫の設置などの費用に充てる。 17日には、多くの人にジビエレザーを知ってもらおうと、館山市で開催された「北条海岸BEACHマーケット」に出店。訪れた多くの人に、地域の獣害やジビエレザーを通じて行っている取り組みなどを紹介した。 同日午後6時時点で約180万円が集まっており、大阪谷さんは「たくさんの人に支えられながらではあるけど、自分ができる限り、まい進していきたい。ご支援をお願いします」と話している。 (押本裕也)