他人事ではないSNS型投資・ロマンス詐欺 どうだまされる? 最新の手口とは
■マッチングアプリがロマンス詐欺の入り口に
ロマンス詐欺ではマッチングアプリをきっかけに騙されるケースが多くなっている。兵庫県洲本市に住む50代の男性は、マッチングアプリを通じて「はる」と名乗る女性と知り合った。男性は「はる」に好意を抱くように。ある日、「はる」からLINEで「私も『先生』のところでビットコインの投資やるから、 あなたもやらないか?」と誘われた男性は投資話に乗ってしまい、「はる」が「先生」の指導で代理で投資をしてくれるというので当時の金額で1億2000万円分以上に相当するビットコインを送ってしまった。値動きのチャートなどがスクリーンショットで送られてきて、見かけ上は6億円ほどの利益が出たことになっていたという。 だがこれはロマンス詐欺。男性と「はる」は1度も会ったことがなかった。 男性は利益をいったん確定するため、「はる」に引き出しを申し出たところ、「後で戻ってくるが、手数料に2500万円かかる」と言われて、初めて不審に思い、警察に相談。 捜査幹部はこうしたマッチングアプリではアプリ側がユーザーの情報を早期に廃棄してしまい、捜査が行き詰まるケースが多くなっていて、詐欺の格好の道具になりかねないと危機感を募らせている。 こうした中、警察庁は9月、デジタル庁と連名でマイナンバーカードを活用した本人確認を行うようマッチングアプリ業界に要請した。ただ、アプリ側は必ずマイナンバーカードを求める必要はなく、あくまで本人確認の選択肢の1つなのが現状。政府はこうした状況を打開すべく、マイナンバーカードで本人確認をした人のアカウントは認証マークをつけるなどして安全性が確認できる仕組みを導入するよう業界に呼びかけるなど、対策を加速させている。