他人事ではないSNS型投資・ロマンス詐欺 どうだまされる? 最新の手口とは
■SNS型投資・ロマンス詐欺があらたな脅威に
SNS型投資・ロマンス詐欺の脅威が増している。警察庁によると2024年は8月までのSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額がそれぞれ約641億円、約236億円にのぼり極めて深刻な状況となった。同時期の特殊詐欺の被害額は約350億円なので、合計では大きく上回る。その手口を見てみると、SNS型投資詐欺はインスタグラムやフェイスブックのバナー広告をクリックしたことから被害に遭ったケースが多い。その後のやりとりはほとんどがLINEに移行するという。
■インスタグラムのバナー広告から1億円被害
兵庫県西宮市に住む60代の女性の目に止まったのはインスタグラムのバナー広告。有名投資家をかたる広告をクリックしたことから、LINEの投資グループに招待され、その有名投資家を名乗る人物とやりとりが始まった。 やりとりの中で「利益が6000万円以上の人だけが購入できる投資ファンドがある」ともちかけられた女性は、そのファンドを購入するために進められるがまま外貨投資の一種であるFXを始める。偽のアプリをダウンロードさせられ、利益が出ているように見えたため、法人口座や個人口座など指定された様々な口座に1億円以上を入金してしまった。 捜査幹部によると振込先の口座がころころ変わるのは犯罪グループの口座が凍結されているからだという。また以前は堀江貴文さんや前澤友作さんなど著名人をかたる詐欺が多かったが、最近は減少傾向で、「投資に成功できる」などの触れ込みの広告で特定の人物が登場しないものも一定数みられるということだ。
■フェイスブックのDMきっかけに1億円被害
一方、2024年1月、広島県廿日市市の40代の男性に届いたのは、フェイスブックの1通のDM。日本人女性を名乗るアカウントからの「友達になりましょう」というDMだった。その後LINEに移行し、いつしか投資の話になる。「金でもうかる話がある」「アナリストがいるから必ずもうかる」とビットコインを購入するアプリをダウンロードするよう指示され、購入したビットコインを指定されたビットコイン口座に送信した。 投資状況を確認できると紹介されたサイトでは実際に利益が出ているように見え、合計1億1000万円以上をだましとられた。捜査幹部によると、こうした偽サイトやアプリを一見して見抜くのが難しい。ダークウェブ上でこうしたツールが売買されているという話もあり、犯罪グループが手軽に使える犯罪ツールとなっているということだ。