やりたいことなんて見つけるな。キャラ設定で仕事も人生もうまくいく「物語思考」のはじめ方
夢中になれる趣味もない。自分磨きをしたいけど「なりたい自分像」もない…。 そんな人に向けて書かれたのが『物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』(幻冬舎)。 本書より、やりたいことを見つけなくても自分の人生の主人公となれる「物語思考」のヒントを紹介します。
キャラを設定することで、自分の人生を俯瞰視できる
本書のタイトルにもある「物語思考」とはどのようなものでしょう。著者の著者のけんすう(古川健介)さんはこの思考のことを「小説を書くようなイメージ」としています。 自分という「主人公」のなりたい姿を決め、「キャラ」を設定します。それから、キャラが活きる環境を作って、物語を「転がして」いきます。自分を物語のキャラとして扱うことで、他人事化して、客観的に見ていくことができます。 自分自身のことだと怖くてたまらないことも、自分が書く物語のキャラにすぎない、と思うと、「あ、ここでこういう行動をさせたほうがいいな」とかがわかったりする、ということです。 (『物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』25ページ) 物語思考では、「やりたいこと」を設定するのではなく、まず「なりたい状態をイメージすること」からはじめます。「かっこいい大人になりたい」といった漠然としたイメージでもOKですし、「土方歳三のようになりたい」といった具体的な誰かを決めるのでも構いません。 なりたい状態を想像した上で、キャラを決めるというのがこの思考法の基本となります。ちょっとやってみましょうか。
「物語思考」を実践する3つのステップ
本書では「物語思考」を5つのステップで解説しています。ここではステップ1~3の一部を紹介します。 1.自分がなりたい状態を考える 自分がなりたい状態を考えてみることが1つ目のステップ。 大切なのは「 頭の枷(かせ)」を外すこと。ここでいう「頭の枷」とは自分で決めつけている「自分の限界」のことで、それを取っ払い、まずは自分がなりたい状態のイメージを書き出します。 思い浮かばなければ「こうはなりたくない」を考えるのも1つの方法。トラウマやコンプレックスにとらわれず、自由に書き出していったん言語化することが大切です。 2. 自分のキャラを作る 次のステップは、先ほど挙げた「なりたい状態」に近づくために、一番効率的なキャラは何かを考えること。 たとえば禁酒をしたいときに「禁酒をしたい」と心に決めるよりも「自分はお酒を飲まないキャラ」と考えたほうがラク、とけんすうさん。そう思うことで、行動が変わり、行動が変わることによって結果も変わるとのこと。 「上司に小言を言われても凹まないキャラ」なんていうのでもいいでしょう。また「家族と幸せに暮らしたい」に状態に近づくために「会社の先輩のYさん」といった身近な存在をキャラに設定するのもありですし、「世界で活躍したい」なら「大谷翔平」をキャラにするのもOK。 「なりたい状態」のリストには入れていなくても、憧れや尊敬を抱く人がいれば、それも書き出してみてください。 3. 「キャラ」に行動させよう ステップ2で書き出したキャラだったら、どんな行動をとりながら生きているでしょうか。 まず考えたいのは「話し方」。褒められたとき、そのキャラなら何と言うか。理不尽なことを言われたときはどんな言葉を発するかを思い描きます。 次は、自分の生活の中で、そのキャラだったらどんな行動をとるかを考えます。「朝はゴロゴロせずに起きるだろう」「朝食は食べる派だな」「通勤電車では、本を読むタイプかな…」といった具合です。自分がそうするか、ではなく、そのキャラだったらどうするかを客観的に考えます。 ここまでのステップ3まででも「物語思考」は十分に発揮できる、とけんすうさん。 なぜなら今まで「自分」という一つの視点しかなかったのが、別のキャラの視点を手に入れることになるからです。 これだけでも、人生の見方はだいぶ変わります。週末だけキャラを変えてみるとか、「上司に怒られた時の振る舞いだけ理想のキャラで演じてみる」みたいな形で使えます。 (『物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』138ページ) ちなみに、ステップ4は「キャラが最高に活きる環境をつくる」というもの。ステップ5には、ついに「物語を転がす」ことの具体例が書かれています。 本書のステップ1では「なりたい状態」を100個挙げようとすすめていますが、はじめは10個でもいいのではないでしょうか。 その10個に対して、ステップ2とステップ3を真剣に考えてみる。それだけでけんすうさんの言うとおり、まったく別の視点で物事をとらえられるようになり、きっと態度も変わっていくのだろうなと、実際に本書を読みながら感じました。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! Source: 幻冬舎
ライフハッカー・ジャパン編集部