春再び 戦力分析 つなぐ打線、選球眼も 二枚看板、継投も充実 /愛媛
<第91回選抜高校野球 センバツ高校野球> 23日に開幕する第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)で悲願の甲子園初勝利を目指す松山聖陵。冬の基礎鍛錬や先週の沖縄遠征などで一回り大きく成長したチームの戦力を分析する。 投手陣は、188センチの長身を生かして角度ある直球とキレの良い変化球を投げる本格派・根本大蓮(たいれん)主将(2年)と、スリークオーターの平安山(へんざん)陽投手(1年)の二枚看板。根本主将は秋の公式戦から食事による体作りに力を入れ、体重は5キロ増。下半身の強化にも重点を置き、沖縄遠征では無四球と制球力にも安定感が増した。 そのほか、7種類の球種を投げ分ける技巧派の高松亨有(りょう)投手(1年)や制球力に定評がある佐野幸輝投手(2年)と多彩な控えがそろう。メンバー登録された投手は右腕のみだが、練習試合で登板経験のある野手もおり継投策が充実している。 打撃陣は「つなぐ打線」が持ち味だ。打撃力の向上のため、練習打席を4カ所に増設し、強化に取り組んだ。185センチ85キロの恵まれた体格のリードオフマン・大村侑希選手(2年)は秋の公式戦で3割4分2厘の高打率を誇り、四国大会準決勝では勝ち越しの本塁打を放った。この冬は「最短距離でのフルスイング」を目標に打ち方を改良。沖縄遠征では打撃力も上がり、本塁打や二塁打など長打でチームを引っ張った。 主に4番に座り、11打点を挙げた折田玲選手(2年)は打撃に磨きをかけ、バットが下から出る癖の克服に力を注いだ。そのほか、パンチ力のある打撃が持ち味の岸田明翔捕手(1年)や4割1分9厘とチーム屈指の高打率を記録した田窪琉風(るか)選手(2年)など切れ目のない。 折田選手や渡部龍弥選手(2年)、田窪選手など俊足の選手も多く、秋の公式戦ではチームで9試合で13盗塁。足を絡めた攻撃も期待される。四死球による出塁も61回あり、選球眼も武器になる。 課題は守備だ。秋の公式戦では12失策。中本恭平監督は「甲子園では一つのエラーが命取り。守備には一層力を入れている」とダイヤモンドを左右それぞれ50周させるボール回しなどで選手たちの基本動作を徹底的に見直してきた。 課題を一つでも多く克服すべく最終調整する松山聖陵ナイン。18日現地入りし、19日は甲子園練習で夢の舞台に足を踏み入れる。【遠藤龍】