〈奥能登豪雨〉被害2000棟調査開始 輪島市、罹災証明書発行へ浸水状況を確認
奥能登豪雨で大きな被害を受けた輪島市は4日、家屋などの浸水状況を確認する被害認定調査を開始した。対象となる建物は約2千棟と見込んでおり、調査結果に基づき、損壊や浸水程度に応じて全壊、大規模半壊、半壊などの被害区分を示す罹災(りさい)証明書を発行する。外観から行う1次調査は住民の申請が不要で、職員が家屋に出向く「プッシュ型」で行い、10月中に終える。 雨が降る中、輪島市職員に三重県から応援に来た職員が加わり、4人で家屋を回って浸水被害の状況を測定器具で確認した。 市によると、10日ごろから8班体制で1日100棟以上のペースで調査を進め、2次調査を含め11月末をめどに調査を完了させる計画だ。池腰博之市民生活部長は「できるだけ迅速に調査を進めていきたい」と話した。 罹災証明書は仮設住宅の入居や、被災者生活再建支援金の給付、税減免など行政からの支援を受ける際に必要となる。市は今回の調査に先立ち、浸水範囲を特定する現地調査を実施。河川が氾濫した地域では、1メートルを超える浸水が確認された家屋もあった。 調査が行われた輪島市河井町の全屋功(ぜんや・いさお)さん(85)の自宅は1・7~1・8メートルの高さまで濁流が押し寄せたという。全屋さんは現在、妻と2人で避難所の輪島中に身を寄せており、仮設住宅への入居を希望。「元日の能登半島地震では何とか大丈夫だったのに、水はどうしようもなかった。これからどうなるのか」と心細そうに話した。 石川県によると、豪雨の影響で県内28河川が氾濫。輪島市や珠洲市を中心に家屋の浸水被害が発生した。被害規模の全容は判明していない。 ●珠洲は1230棟 珠洲市でも、豪雨の被害が甚大な大谷地区や若山地区を中心に、被害認定調査を始めた。対象は約1230棟に上る見込み。4日は職員8人が4班態勢で被害家屋の外観を調査する。職員数は今後増やしていく。今月中旬に終える予定としている。