岡田将生の飾らない素顔「真剣さと楽しさを並行させた作品づくりをしたい」
下の世代から学ぶことは、これからも増え続ける
2006年にデビュー、2007年から2008年にかけて映画『天然コケッコー』『重力ピエロ』『僕の初恋をキミに捧ぐ』など出演作が相次いだ。15年以上のキャリアを積んだ今、今作のように、若い世代と共演することも増えた。 「今回、羽村くんたちと共演して、やっぱり芝居に対してのポテンシャルが高いな、と感じました。脚本を読み解く力、理解力がすごく上がっていると思います。僕が彼らと同じ年代だった頃は、あまり芝居に対して考えていなかったですし、監督にもよく怒られていました」 岡田はスカウトをきっかけに芝居の世界に入った。芸能界にはまったく興味がなかった彼にとって、いきなり知らない大人に声をかけられ、名刺を渡される経験はまさに“黄金的”エピソードだったという。 「友達とゲームセンターに行って、もらった名刺を一緒に調べたりしていました。最初は不安で仕方なかったですが、あのときに声をかけられていなかったら、俳優の仕事はしていなかったと思います。今後も、若い世代の方と共演することは増えていくと思いますし、そのたびに、僕がまだ知らないやり方や情報に出会うこともあるはず。学ぶことは増えていくと思います」
10代の頃と変わらない思い「ハッピーな現場にしたい」
若い世代と共演するたび、昔を思い出すことはあるのだろうか。俳優の世界に足を踏み入れた当初の失敗談について訊くと「皆さんも経験があると思うんですけど、やっぱり、寝坊ですね」。 「当時は電車で現場に行っていたので、撮影スケジュールがタイトだと寝坊して遅刻しかけてしまったり、失敗してました。仲間同士でよく『早く車がつくように頑張ろうな』って励まし合ってたのを覚えています。さすがにもう寝坊はしないですが、地方で泊まり込みのロケだと、朝早くにロビーに集合することが多いんです。遅れないように時間に余裕をもって、アラームをかけて早めに寝るようにしています」 デビュー以来、次々と話題作に出演し続けている俳優・岡田将生の素顔は、飾らない気さくさに溢れている。そんな彼が10代の頃から念頭に置いているのは「楽しく作品づくりをしたい」というシンプルな思いだ。 「これまでたくさんの先輩方と一緒に仕事をしてきて、やっぱり楽しく作品づくりをしたいと思うようになったんです。現場にいる誰か一人でも疑問を持っていたり、負のオーラを出したりしていると、現場がハッピーじゃなくなる。もちろん僕も、ものすごく真剣に役に臨んでいます。真面目に、かつ楽しく、現場でいろいろな方とセッションしながら楽しく作品をつくることは、並行できると思うんです」 取材・文:北村有 撮影:奥田耕平 <作品情報> 映画『ゴールド・ボーイ』 3月8日(金) より全国公開