若者にコミュニケーション能力求め過ぎでは 平田オリザさん「多様な学生に学ぶ場を」 京都で議論
京都文教大などを運営する学校法人京都文教学園が24日、創立120周年記念式典を、京都府宇治市槙島町の宇治キャンパスで開いた。パネルディスカッションでは、劇作家平田オリザさんら文化人と経営者の計4人が「未来につながる(未来をつなぐ)人を育てる」をテーマに、教育について議論した。 パネルディスカッションには、京都文教大でそれぞれ客員教授を務める平田さんと心理占星術研究家の鏡リュウジさんのほか、イシダの石田隆英社長、共栄製茶CEOの森下康弘さんが登壇した。 平田さんは、コミュニケーション能力を若者全員に過剰に求める日本社会に疑問を示し「多様な学生に対応するさまざまな学びの場が必要」と問題提起。鏡さんも「学生は社会に適応しようとするあまり、違う視点で見ることを避けがちだが、完全に適応することこそ危ない」と述べた。 石田社長は、学園と連携して取り組む自然体験教育について話した。森下さんは、欧州での有機栽培茶需要の増加を例に、人の価値観を大きく変える教育の重要性を説いた。 式典では、平岡聡学園長を導師に記念法要を行い、仁科周朗理事長が式辞を述べた。 京都文教学園は1904年に高等家政女学校を創設したのが始まり。幼稚園、小中高校、短期大、大学院も運営している。 宇治キャンパスでは同日、地域に大学を開放する恒例の催し「ともいき(共生)フェスティバル」も開かれた。