ロシアで死刑復活要求高まる 銃乱射テロ受け、慎重論も
140人以上が犠牲になったモスクワ郊外銃乱射テロを受け、ロシアで死刑復活を求める声が高まっている。下院では、1996年の欧州評議会加盟に伴う死刑執行凍結(モラトリアム)の撤回を求める意見が大勢だが、法律専門家らは反対。議論の先行きは不透明だ。 ロシアは死刑廃止を加盟条件とする欧州評議会に入った後の96年、当時のエリツィン大統領が死刑の段階的廃止を目指す大統領令に署名。憲法裁判所も99年2月、死刑判決言い渡しを凍結する決定をし、死刑囚は全員減刑された。死刑は96年9月を最後に実施されていない。ロシアの法曹界では、死刑は廃止されていないが96年に事実上執行が凍結されたとの解釈が一般的だ。 3月22日のテロで犯行グループは、ほぼ満席のコンサートホールで自動小銃を乱射しガソリンをまいて放火。非常事態省によると144人が死亡し551人が負傷した。 左派系政党「公正ロシア・正義のために」のミロノフ党首はテロ後、死刑復活のための国民投票実施を提案。「人でなしは極刑にすべきだ」と主張した。