<鈴村健一>「鬼滅の刃」 伊黒を演じる楽しさ クールだが嫉妬も 甘露寺の前では「ネチネチしていない」?
「炭治郎から見て『なんで怒っているのかな?』みたいなところがあることが大事なんですよね。視聴者の皆さんから見ると、ほほ笑ましい、みたいな。あの感じが演じていても楽しいです。作中での伊黒の立ち振る舞いと、『お客さんはこれを見てどう思うだろう? きっとみんなほっこりするんだろうな』という役者目線でのアプローチ。その2軸がちゃんとあって、演じがいのあるシーンだったなと思います」
前作の「刀鍛冶の里編」でも、甘露寺の回想シーンで、伊黒が甘露寺に靴下をプレゼントする様子が描かれ、話題になった。
「甘露寺と接する時の伊黒は、あんまりネチネチしていないですよね(笑い)。靴下をあげるシーンも、オンエアを見て『イケメンだな』と思いました。役者の仕事は、シーン一つ一つを切り取って見るのではなくて、全部がつながるように表現することなのですが、あのシーンは普段とは違う伊黒というか。伊黒から出てきた言葉であったり、話し方だったりが、ほかのシーンにも必ず影響を与える。ほかのシーンが切なく見えたり、逆に力強く見えたり、そういうことにつながる大事なシーンなんですよね。だから、靴下をあげるシーンは、すごく重要なシーンだと思って演じていました」
「刀鍛冶の里編」の回想シーンでは、靴下をもらい「絶対大事にするね」という甘露寺に、伊黒が「大事になんてしなくていい」「破れたらまた新しいのをやる」と話していた。
「あの伊黒の言葉が、大事にできないくらい戦いは激しい、という意味にも見えるというか、少し切なくも見える。そういうことは感じていましたね」
「柱稽古編」では、「伊黒がどんどんいろいろな面を見せてくれて、うれしいです」と語る鈴村さん。今後、伊黒がどんな新たな魅力を見せてくれるのか、注目したい。
「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊へ入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの累計発行部数は1億5000万部以上。新作テレビアニメ「柱稽古編」が、フジテレビ系で毎週日曜午後11時15分に放送中。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。※鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記となる。