スクエニ、従業員保護のため「カスハラ」対応方針策定 任天堂、コロプラ…ゲーム業界でも対策進む
スクウェア・エニックスは10日、従業員の職場環境保護を目的とした「カスタマーハラスメントに対する対応方針」を策定・公開したことを発表した。 【画像】コロプラは「執拗な言動」「連投行為」などを定義している 同社によれば、顧客からの意見や要望は商品・サービスの向上に不可欠としながらも、一部の顧客から従業員や関係者に対し、人格否定や暴力、脅迫、加害予告などのカスタマーハラスメント行為が発生しているという。
誹謗中傷、業務妨害予告など該当
新たな方針では、社会通念上相当な範囲を超えるカスタマーハラスメント行為があった場合、サービス提供の中止や、悪質な場合は法的措置を講じる可能性があることを明示している。ハラスメント行為に該当する例として、暴力や暴言、執拗な問い合わせ、無許可での施設訪問、差別的言動、性的嫌がらせを、合理性を欠く要求の例として、過剰な金銭補償要求や、対面での謝罪強要なども対象としている。 この方針策定により、同社は従業員が安心して業務に従事できる環境を確保するとともに、他の顧客へのサービス品質維持も図る姿勢を示した。 従業員に対する“カスハラ”をめぐっては、近年多くの企業が対策に乗り出しており、ゲーム関連企業も大手を中心に「対応方針」を発表している。うち任天堂は2022年に「社会通念上相当な範囲を超える行為」に対する注意喚起行っていたほか、コロプラも昨年に今回のスクエニと同様のカスハラ対応方針を公表していた。 ■明文化したハラスメントの例 暴力行為、暴力的な振る舞い 暴言、威嚇、強要、強迫、過度な追及・叱責 名誉棄損・侮辱等の誹謗中傷、人格否定、個人攻撃(メール、お問い合わせフォームでの連絡、インターネットでのコメントや投稿を含む)、加害予告、業務妨害予告 執拗なお問い合わせ、来店の繰り返し 無許可でのオフィス、関連施設への来訪または居座り 電話やお問い合わせを含む長時間の拘束行為 人種、民族、宗教、門地または職業等に関する差別的な言動 無断での撮影や録画等の肖像権・プライバシー侵害 性的嫌がらせ、つきまとい行為、ストーカー行為 ■明文化した不当要求の例 合理性のない商品の変更・交換や金銭補償の要求 合理性のない対応や謝罪の要求(対面での対応や役職を特定した謝罪の要求を含む) 社会通念上相当な範囲を超える過剰な商品・サービスの提供要求 当社役職員等に対する合理性のない過度な処罰の要求
編集部 経済・社会担当