つらーい二日酔いの「予防と対策」。どう飲む、何を食べる?管理栄養士に聞きました
分かっているけどついつい楽しくて「飲みすぎちゃった……」の後悔。できれば避けたいのが「二日酔い」です。 【表ほか】お酒の種類別「純アルコール摂取量」を表で見る!女性はビール中瓶1本で「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」に… もちろん自分の適量を把握して飲みすぎないことが大切ですが、飲む前、飲んでいるとき、二日酔いになってしまったとき、と3つの段階における「二日酔い対策」を、栄養面から解説します。
そもそも二日酔いってどういう状態?
こんにちは、管理栄養士の宮崎奈津季です。 新年会の季節ですが、これから春に向けては歓送迎会などの機会も増えますね。飲みすぎてしまった、翌日の朝がつらい……! そんな二日酔い対策に必要な栄養素についてはご存じですか? 今回は「二日酔い」についてお話しします。 ●二日酔いの原因はひとつではない? 二日酔いとは、アルコールを過剰に摂取したことで起こる不快な症状のことを指します。 今まで二日酔いの原因は、アルコールを肝臓で分解してできる「アセトアルデヒド」の分解が追いつかずに、体内に蓄積されることによるものだと考えられていました。 しかし現在では、アルコールの働きによる脱水や低血糖、消化器管の粘膜を刺激して起こる炎症など、さまざまな要因が絡み合っていると考えられています。 ●頭痛、胃痛、吐き気…症状もいろいろ 二日酔いの症状は、頭痛や吐き気、胃痛、胸焼け、動悸などがあります。 アルコールは、体内に入ると胃腸で吸収されて肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらに二酸化炭素と水に分解されます。しかし、大量にアルコールを摂取すると、肝臓での処理が追いつかず、アセトアルデヒドが血液中に流れ出してこれらの症状の原因となります。 また、アルコールの刺激により、胃が荒れてしまって胃腸症状も起こりやすくなります。さらに、アルコールの利尿作用によって体内の水分が排出されるため、脱水症状を起こしがちです。
飲む前・飲んでいる間のポイント
【1】水分をしっかり摂る! アルコール度数の高いお酒は、酔いが回りやすく、肝臓への負担も高くなります。水で薄めてゆっくり楽しむか、水とお酒を交互に飲むようにしましょう。 【2】胃がカラの状態で飲まない 胃や小腸からのアルコールの吸収をゆるやかにするために、空腹の状態でお酒を飲むことは避けましょう。食事と一緒にとることで、胃が荒れるのを防ぐことにもつながります。 【3】飲みすぎない アルコールの代謝速度や耐性には個人差がありますが、お酒の飲みすぎには注意したいものです。 飲酒量が増えることは二日酔いだけではなく、がんや高血圧、脂質異常症などのリスクを高めます。生活習慣病のリスクを高める飲酒量(純アルコール摂取量)は、男性40g以上、女性では20g以上といわれています。 この表で見ると、女性はビール中瓶1本で「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」である純アルコール20gを摂取することが分かります。普段のお酒の量から見直してみましょう。 【4】意識して食べたいおつまみ(栄養素) アルコールには、体に必要なエネルギー産生栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質が含まれていません。そのため、お酒を飲むときの食事は、エネルギー産生栄養素のバランスを考慮しながら、ビタミン・ミネラルが不足しないように気をつけましょう。 特に、ビタミンB1はアルコールの代謝に関わっており、消耗して不足してしまいます。枝豆や豆腐などの大豆製品はおつまみにもおすすめです。 胃の粘膜を保護する効果が期待できる牛乳やヨーグルトなどの乳製品をとるのも良いといわれています。 【5】逆に避けた方が良いものは? アルコールの刺激により胃が荒れてしまうため、胃に負担がかかるような刺激の強い食べ物はできるだけ避けたほうがいいでしょう。