「衝撃的だった」2024年話題になった「1話目がインパクト大だったアニメ」を振り返る
■リアルな鹿のCGに耳に残る主題歌『しかのこのこのここしたんたん』
2024年7月からの“夏アニメ”では、WIT STUDIO制作の『しかのこのこのここしたんたん』も衝撃的な第1話だった。 おしおしおさんによる本作は、2019年『少年マガジンエッジ』(講談社)にて連載がはじまり、その後『マガジンポケット』(講談社)に移籍。現在も連載中の人気作品である。 アニメ第1話「ガール・ミーツ・シカ」では、東京都日野市の高校を舞台に、頭に鹿の角の生えた謎の少女・鹿乃子のこと、主人公であり元不良の女子高生・虎視虎子が出会い、謎の部活“シカ部”が設立される。テンポの良い笑い、超リアルな鹿のCGなど、第1話目から本作独特のガールズコメディが展開された。 また本作は、OPテーマ『シカ色デイズ』がSNSを中心に話題となった。アニメ放送に先駆け、虎子が「シカ色デイズ」のイントロに合わせて踊る1時間耐久動画がYoutube、Tiktokで公開されると数百万の再生回数を記録。第1話で放送されたOP映像もかなり中毒性のあるもので、こちらも大バズりした。 そして本アニメ最終回は、各地の“鹿”モチーフのゆるキャラと争い、最終的には鹿キャラの大御所「せんとくん」も登場するというハチャメチャなものとなっており、インパクト大な第1話から始まった『しかのこのこのここしたんたん』は、最後の最後までユニークな内容のまま駆け抜けていった。
■怒涛の展開とハイクオリティなアニメーション『ダンダダン』
最後は、2024年“秋アニメ”から。話題の中心は、やはりサイエンスSARU制作の『ダンダダン』だろう。 龍幸伸さんによる本作は、マンガ雑誌サービス『少年ジャンプ+』(集英社)に2021年から連載されている“オカルト”をテーマとした大人気の怪奇バトル漫画だ。 アニメ第1話「それって恋のはじまりじゃんよ」では、宇宙人の存在は信じていないが幽霊の存在は信じている綾瀬桃と、幽霊の存在は信じていないが宇宙人の存在は信じている高倉健(通称:オカルン)との出会いから始まり、それぞれが宇宙人の“セルポ星人”、近代妖怪の“ターボババア”に襲われるという衝撃的なスタートとなった。 なかでも、セルポ星人とターボババアに取り憑かれたオカルンの戦闘は、圧倒的な作画と赤と青というカラーの対比で表現されており、より鮮烈なシーンとなっていた。 また、本作もOPの素晴らしさが話題をさらった。映像は昭和の特撮『ウルトラマン』のOPをオマージュしており、新しさのなかに懐かしさも感じられるものとなっている。 そして主題歌『オトノケ』は、アニメ『マッシュルーMADHLEー』第2期でOP曲「BlingーBangーBangーBorn」を手がけ、世界的大ヒットを生み出したCreepy Nutsが担当。『オトノケ』も、ビルボードの“Japan Songs”で6カ国首位を獲得(集計期間:2024年10月4日~10月10日)するなど、まだまだその勢いは止まらない。 衝撃的な第1話から始まり、怒涛の展開が続く『ダンダダン』。今後も注目していきたい作品である。 今回は、2024年に話題になった「1話目がインパクト大だった」アニメを振り返りかえってきた。『勇気爆発バーンブレイバーン』の豪快なサプライズ、『しかのこのここしたんたん』の独特な世界観、『ダンダダン』の衝撃的な展開と映像スタイル。そのどれもが衝撃的な第1話であり、今年を代表するようなアニメ作品となった。 来年2025年はどんなアニメが誕生するだろう。「来年の事を言えば鬼が笑う」と言うが、鬼も大いに笑い感動するような作品の誕生を期待したい。
海狸こう平