「来年、熊本の試合には――」ツアー休養中の有村智恵が競技復帰を語る
【お母さんがプロゴルファーだったからこそ、こんなに幸せなこともあるんだ、って】 ――現在、トレーニングなどは続けられているのでしょうか。 今は、子どもをあやすのがトレーニングだと思って、あえて大きな動きをしたりとか、抱っこしながらも、(子どもが)いい重みだと思いながらスクワットしたりとか、ですかね。子どもと一緒にトレーニングするようなイメージですね。 ひとつだけ、懸念点として、子どもを抱っこしている時間が増えると、どんどん体が前傾しちゃうというか、肩が縮まっていったり、猫背になってしまったりするんですよね。そうなると、腹筋も緩みがちになってしまうので、意識的に気をつけておかなければと思っています。 ――お子さんが成長して、"お母さんはプロゴルファーだ"と認識するまで競技を続けたいという思いは? どうなんでしょう。ハードルは高いですよね(笑)。でも、いろいろな先輩方に話を聞いたら、みなさん「子どもがゴルフを好きじゃなくなっちゃう」って言っていて。小さい頃は、お母さんがゴルフのせいで家にいない時間が多くて、「ゴルフのせいで一緒にいられない」って思われることが多いって。 自分の子どもには、そういう思いだけで終わってほしくはないから"お母さんがプロゴルファーだったからこそ、こんなに幸せなこともあるんだ"っていう思いまでさせてあげたいですね。 ――お子さんにスポーツはさせたいと仰っていましたが、そういう姿を見せられると、お子さんも「ゴルフをやりたい」と言い出すかもしれませんね。 競技としてやるかはまた別の話ですけど、ゴルフは、マナーやエチケットがすごく大事にされるスポーツなので、ゴルフを通してそういう部分も学んでもらえることがあればいいな、とは思いますね。今は「私がどこまで教えられるかな?」「自分もちゃんとしておかなきゃ」と考えるようになりました。子どものお手本にならなきゃいけませんよね。 >>後編【「子どもを授かることすら難しい」を払拭したい 有村智恵が「LADY GO CUP」を通して実現したい女子ゴルフの未来像】に続く 【Profile】有村智恵(ありむら・ちえ)1987年11月22日生まれ。プロゴルファー。熊本県出身。10歳からゴルフを始め、九州学院中2年時に日本ジュニア12~14歳の部優勝。3年時に全国中学校選手権を制した。宮城・東北高で東北女子アマ選手権や東北ジュニア選手権、全国高校選手権団体戦などで優勝。2006年のプロテストでトップ合格。2007年は賞金ランク13位で初シードを獲得した。2008年6月のプロミスレディスでツアー初優勝。2013年からは米女子ツアーに主戦場を移した。2016年4月の熊本地震を機に日本ツアーへ復帰。2018年7月のサマンサタバサレディースで6年ぶりの優勝を果たすなど、JLPGAツアー通算14勝(公式戦1勝)をあげる。2022年に30歳以上の女子プロのためのツアー外競技「LADY GO CUP」も発足させた。2022年11月に、妊活に専念するためツアー出場の一時休養を表明。2024年4月に双子の男の子を出産した。 ◆インタビュー完全版を動画で見る
text by Sportiva