台風10号 収穫前…対策急ぐ産地 九州上陸、四国に再上陸へ
「彦根梨」収穫を急ぐ
台風10号が迫る中、滋賀県彦根市の特産「彦根梨」の収穫がピークを迎え、生産者が収穫作業に追われている。28日は、彦根梨生産組合の吉田恵治組合長が約80アールの園地を歩き回り、人気品種「幸水」の収穫適期を見逃さないよう丁寧に収穫した。強風に備え、園地を覆う防風ネットの張り具合を再確認するなどした。 「彦根梨」は、同組合の17戸が約11ヘクタールで栽培している。木の上で完熟させて収穫して出荷するため、強い甘味が特徴だ。今年は生育期間に降雨が少なかったため例年と比べてやや小ぶり傾向だが、日照時間が長かったことで高い糖度に仕上がっているという。 吉田組合長は「完熟を待たずに収穫はしない。予定よりも台風の接近が遅くなり、少しでも多く収穫できて助かっている」と話した。台風が強い勢力で近づいていることから落果を心配するものの、梨の実が一つでも多く残り、消費者に届けられるよう祈りを込める。 収穫は9月下旬まで続き、JA東びわこの直売所などで販売する。台風の直後は梨の収穫ができなかったり被害の状況を確認したりするため、一時的に品薄になる見込みだ。 (滋賀・東びわこ=藤野良祐特別通信員)
日本農業新聞