ウエスタン阪神対ソフトバンク　最終登板でマウンドに上がる秋山（撮影・上田博志）

＜ウエスタン・リーグ：阪神7－8ソフトバンク＞◇24日◇鳴尾浜 　今季限りで現役を引退する阪神秋山拓巳投手（33）が、ラスト登板に臨んだ。2軍ソフトバンク戦に先発。初回2死三塁でリチャードを追い込み、「一番頑張ってきた球。僕の中ではピッチャーのロマン」という外角低めへ、この日最速136キロ直球を投じたが、左中間へ2ランを被弾した。「そこだけは投げたいと思っていた。結果気持ちよく打たれましたけど、全く後悔はないです」。1回2安打2失点。胸を張ってマウンドを降りた。 　登板後に同学年の岩貞から花束を受け取り、捕手を務めた藤田から「お疲れさまでした」と声をかけられると「もうダメでしたね」と涙があふれ出た。2軍公式戦では前人未到の1001回2／3を投じた。鳴尾浜で最後を迎え、胴上げで3度舞った。「しんどかったですけど、一番頑張ってきた球場でもある。ここで最後終われてよかったです」。30日の1軍DeNA戦（甲子園）で引退セレモニーが行われる。 　◆秋山拓巳（あきやま・たくみ）1991年（平3）4月26日生まれ、香川県出身。西条から09年ドラフト4位で阪神入り。1年目の10年から1軍戦で登板し、同年9月12日ヤクルト戦では初完封勝利も挙げた。17、20、21年と3度にわたり2桁勝利をマークし、ローテーションの一角として活躍した。打撃にも定評があり、17、18年には1本塁打を放った。2軍公式戦での通算投球イニング1001回2／3、72勝は、イースタンも含めともに2軍戦最多記録。188センチ、101キロ。右投げ左打ち。