「眠くならずに観るのは不可能だった」 新生ユヴェントスに期待する4つのこと
新監督は41歳の元イタリア代表
セリエAのユヴェントスがチアゴ・モッタの監督就任を発表した。 ユヴェントスは23-24シーズン終了と同時に前指揮官であるマッシミリアーノ・アッレグリの解任を発表しており、空位となっていた監督の席には昨季ボローニャをCL出場に導いた元イタリア代表MFを迎えることとなった。 計8シーズンを戦った2度のアッレグリ体制が終わりを迎え、新時代に突入するユヴェントス。英『90min』はモッタ新監督に期待することとして、「中盤の再構築」「ドゥシャン・ヴラホヴィッチの得点増」「若手の育成」「ユヴェントスのフットボールを観ることが楽しみになる」の4点を優先事項として挙げている。 中盤の再構築についてはすでに着手しており、アストン・ヴィラのドウグラス・ルイス、昨季EL決勝でレヴァークーゼン撃破に大きく貢献したアタランタのトゥーン・コープマイネルスが獲得候補として報じられている。ルイスに関しては、ウェストン・マッケニーが交渉に含まれているとされており、運動量とスキルを持ち合わせた2人が加入すれば、中盤の強度は保たれるだろう。 ヴラホビッチは昨季16ゴールとチームトップの成績を残したが、7000万ユーロでフィオレンティーナから獲得したことを考えると、物足りない数字といえる。ただこれはセルビア代表FWだけの問題ではなく、昨季の平均ボール保持率が47.9%、リーグで12位だった背景もある。モッタのボローニャは昨季56.4%のボール保持率を記録しており、ヴラホビッチへのパスルートが確立されれば、ゴール増も見込めるはずだ(データは『whoscored』より)。 財政難だったこともあって昨季は大型補強ができなかったユヴェントスだが、その代わりに若手の台頭が目立ったシーズンといえる。両サイドでプレイできるアンドレア・カンビアーゾや19歳ケナン・ユルディズはその筆頭であり、ローン先のフロジノーネで輝かしいシーズンを送ったマティアス・ソーレが戻ってくる。同選手には移籍の噂が報じられているが、ユヴェントスには多くの若い才能が在籍しており、モッタとの融合でさらなるスター発見も期待できる。 同紙が「眠くならずに観るのは不可能だった」と語るように守備をアイデンティティとし、堅実なアッレグリのフットボールは面白さと真反対にあるように思えた。実際に元イタリア代表のアントニオ・カッサーノも「アッレグリにスペクタクルは期待できない」とインタビューで答えている。新監督のモッタは昨季スペクタクルなフットボールを展開し、セリエAに旋風を巻き起こした戦術家であり、この悩みはすぐに解決されるだろう。 モンツァの守護神ミケーレ・ディ・グレゴリオの獲得が濃厚とされ、後方から改革が進められているユヴェントス。19-20シーズン以来スクデットからは遠ざかっており、来季はどのような戦いを披露してくれるのか期待したい。
構成/ザ・ワールド編集部