ベガルタ仙台 4年ぶりのJ1に王手…昇格プレーオフ準決勝長崎戦でFW中島元彦が2発
◇明治安田J1昇格プレーオフ準決勝 仙台4-1長崎(1日・ピースタ) ベガルタ仙台は敵地で長崎に4―1で完勝した。FW中島元彦(25)が前半31分に先制PKを決め、後半アディショナルタイム(AT)2分と2得点。7日の決勝(対岡山・Cスタ)で勝てば、2021年以来4年ぶりのJ1昇格が決まる。 魂のこもったシュートが豪快にネットを揺らした。前半31分、味方がPKを獲得しキッカーを務めた仙台・中島。普段はほとんど緊張しないというが「最初ちょっと緊張した」。その緊張をほどいたのは対面でブーイングを浴びせた長崎サポーターだった。「ゴール裏のサポーターがあおってくれて自分を取り戻せた。必死やなと思ったし、こんなんに負けてられへんな」。ニヤリと笑顔を見せた「背番号7」は迷いなくど真ん中に蹴り込み、敵地を黙らせた。 ゴール後には左胸のエンブレムを右手で握り、雄たけびを上げた。この日は1・5列目で積極的にボールを受けて攻撃のリズムをつくり、守備時には前線からボールを追い回して相手に自由を与えなかった。「自分がやらないといけない」。誰よりも気迫のこもったプレーを見せ、チームを引っ張った。 1点を返され、3―1で迎えた後半AT2分には途中出場のDF石尾陸登がドリブルからカウンターを仕掛けると「もう走れないぐらいでしたけど、チャンスで走らずに後悔したくなかった」。足をつりながら中島も自陣からゴール前にダッシュ。フリーでパスを受けると、走り戻ってくる相手選手を冷静にかわし、右足を振り抜いた。「相手にとって嫌なことをしたろうと思って、切り返した。あとは疲れすぎて力が抜けたいいシュートを打てました」 約2000人のサポーターの応援を背に、今季最多となる4得点を決めたチームはJ1昇格を懸け、決勝で5位・岡山と対戦(Cスタ)する。今季2戦2敗と苦しませられた相手だが、関係ない。「けが人も復帰していい練習があるからこそ、試合でいい結果を残せている。また競争をしてチーム全体でいいものをつくり上げていきたい」。6位から下克上を成し遂げる。 (山崎 賢人) ☆MF郷家友太(気迫のプレーで後半8分に1点を生み、同23分には追加点決める)「うまく前半を折り返して後半に相手が前から来ると想定していた。逆にスペースが空いたところを突けた」 ☆森山佳郎監督(想定通りの1失点に抑え、白星つかむ)「2点差以上で勝つのは5%、1点差で勝つのが30~40%と話をしていた。4点入るのは1%も予想していない。1点を入れられる想定で、その通りに抑えられたのが勝因」
報知新聞社