ブシロード、ゲーム部門苦戦も「H×H」新作などで挽回狙う ライブ部門は「バンドリ」後発組人気で過去最高益に
ブシロードは13日に2024年6月期の連結決算を発表し、営業利益が前期比73.9%減の8億8,257万円と大幅な減収増益となり、低調のデジタルコンテンツユニットと堅調のトレーディングカードゲームユニットとの明暗が分かれている。 【画像】今後のコンソール向けタイトル開発ロードマップ・中国本土ライブも開催する「バンドリ」 業績全体の低調はデジタルコンテンツユニットの苦戦が主因に挙げられる。特にモバイルゲームは運営のコンパクト化が当期中に図られ、5タイトルの提供終了と1タイトルの移管を実施した。同時に、モバイルゲームの市況悪化を一つの転機とし、Switch/PS4等のコンソール機向けタイトル開発も進めており、昨年夏にはゲームブランド「ブシモ」を「ブシロードゲームズ」へとリブランディングした。
他社IPでゲーム化推進、自社IPでは横展開も
コンソール向け展開としてはアニメ『無職転生』のゲーム化を含む6タイトルをリリースしたことで、開発費の先行投資が続いている。今後は前期同様に約15億円を研究開発費に充て、3ヶ月2~3本ペースで発売を予定しているほか、ビッグタイトルとして『ハンターハンター』新作ゲーム化も控えており、赤字幅を縮小したい考え。 一方で、ゲームを起点に成長を見せきた自社IP(知的財産)コンテンツである「バンドリ!」はライブイベントでの大きな貢献が顕著に見られた。バンドリ!は、キャラクターのキャストが現実でもリアルバンドを組んでイベントを展開しているが、当期のライブエンタメユニットでは後発組となる「MyGO!!!!!」などが貢献し、過去最高売上を達成した。 MyGOは2022年にデビューして以降、短期スパンでのライブイベント展開すると同時に2023年夏にはテレビアニメ化。バンド結成の物語を描いたストーリーに国内外で注目が集まり、イベントやパッケージ販売が好調だったという。同プロジェクトでは最後発となる「Ave Mujica」が来年にテレビアニメ化も控えるなど、今後の展開に注目される。 このほか、自社IPである「D4DJ」は直近に関係会社のDONUTS社に移管を発表、演劇コンテンツも含む「少女☆歌劇レヴュースタァライト」は6年続いたソーシャルゲームのサービス終了が発表されるなど、全体的な好調とは一概に言えないようだ。
オタク総研編集部