ハライチ岩井、『ぽかぽか』MCでも“生活に変化なし”「朝まで麻雀は打たなくなったけど」
お笑いコンビ・ハライチとしてはもちろん、個人としても活躍し、ベストセラー作家の顔も持つ岩井勇気さん(38歳)。 2024年7月に上梓した、2019年の『僕の人生には事件が起きない』、2021年の『どうやら僕の日常生活はまちがっている』に続く、エッセイ集の第三弾『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』が好評のなか話を聞くと、日常で「これ、ネタになるな」とは考えないとか。 ⇒【写真】アザーカット さらに「10代の自分の夢を、いまの自分が叶えてあげなきゃとは思わない」との岩井節も飛び出した。
芸人・岩井が書いているというバイアス
――前著『どうやら僕の日常生活はまちがっている』には初の短編小説が収録されていました。その際、「小説とエッセイの垣根をわざと曖昧にしたい」とお話されていましたが、本書もその辺を意識されたのかなと。全体が「僕」という主人公の小説にも読めて、エッセイがより小説っぽくなっている気がしました。 岩井勇気(以下、岩井):そうですね。意識してます。あまり芸人・岩井というのを入れていないですし、芸人という仕事をやっているとも書いてないです。仕事に関しても「先輩」という表現を使っています。別に俺のことを知らなくても読めるようにと徹底していった感じはありますね。メディア露出がある芸人・岩井が書いているというバイアスをかけないようにというか、間口が狭まらないように、あえて外しました。 ――そのことで30代の「僕」のお話として読めました。同時に岩井さんらしさ満載で、声を出して笑ったり、迷宮に入ったような不思議な感覚になるエピソードがあったりと楽しみましたが、構成していく上でどんな工夫をしていますか? 岩井:目線をひとつ加えると面白くなる、みたいなのはありますね。やってることは大したことないんだけど、ひとつだけ目線を乗っけるとエピソードになる。
日常で、「これ、ネタになるな」とは考えない
――普段から芸人としてネタを書かれるわけですが、文章を書くようになったことで、日常の細かいことをエッセイの「ネタ」として、より気にするようになった、といった変化はありますか? 岩井:いや、そういうことは考えてないです。日常で何かあったりして、そのことを思い出して「書けるんじゃないか」と考えたりはしますけど、そのときに、「これ、ネタになるな」とは考えないです。普段から、あまりネタになるなと思って行動したり、ネタを見つけようと思って出かけたりはしないようにしています。 ――そうなんですね。 岩井:何か面白いことが起こるんじゃないかと思いながら出かけていって、そこで何か起こったとしても、別に面白くないというか。そこでは何も裏切られてないから。だから普通に、何かの目的で出かけるときは、その目的のために出かける。ネタ探しじゃないです。