【ヴィクトリアM】ウンブライル 再び輝け“皇帝”と“天馬”の血脈
「ヴィクトリアマイル・G1」(12日、東京) 船橋法典駅から中山競馬場へ向かう地下通路には、有馬記念&皐月賞の歴代優勝馬の写真パネルがズラリと飾られています。世代的に、メジロデュレン(87年有馬記念)あたりのゾーンに入るとテンションが上がるのですが、ふと血統のことを考えると、そこから以前の血が現代に残ることは極めて稀なんですよね。 今回はウンブライルを取り上げます。父ロードカナロア×母ラルケットと言えば、18年マイルCSを制したステルヴィオの全妹。1つ上の全姉ステルナティーアは21年サウジアラビアRC2着馬で、きょうだいと同じく美浦・木村厩舎で大事に育てられてきました。 牝系は実にシブく、注目すべきは4代母スイートコンコルド。父パーソロン×母スイートルナと言えば、日本競馬が誇る“皇帝”シンボリルドルフの3つ上の全姉。それゆえ、スイートコンコルドに“天馬”トウショウボーイを掛けた3代母ファーストクラスは、当時のセリで1億円超えの高値がついたそうです。 その後、この系統は停滞期を迎えますが、サンデーサイレンス-ファルブラヴの血を取り入れ、日本が誇る“龍王”ロードカナロアとのマッチングで完全復活しました。ステルヴィオは種牡馬として、ウンブライルには悲願のG1タイトル奪取で希少となった“皇帝”と“天馬”の血をさらに広めてもらいたいです。(デイリースポーツ・松浦孝司)