「すぐそこにクマがいる」襲撃事故も レジャー中にクマと遭遇 身を守る対策は? 北海道
釣り人をクマ襲撃 死亡事故から1年
朱鞠内湖での痛ましい事故から1年。 道北の幌加内町では安全祈願祭が行われました。 (山﨑記者)「ハンターらが船着き場に戻ってきました。発見された人体のようなものが警察車両に運び込まれています」 2023年5月、この湖で釣り人がクマに襲われ死亡。 事故の5日前にもこの近くでクマが目撃されていましたが、襲われた男性は1人で釣りをしていました。
釣り場への渡し船を運営する中野さんは、朱鞠内湖は静かな環境で釣りができることが人気だったと話します。 (シュマリナイ湖ワールドセンター 中野信之代表)「(男性は)1人で行きたいということだったので。もうちょっと対策をしておけばよかったなと。ルール作りをしていなかったので。(クマを)見かけたという情報はいままでもこれまでもあって。襲ってくることはなかった」 (シュマリナイ湖ワールドセンター 中野信之代表)「ヒグマの足跡とかありましたか?」 (釣りの男性)「特に痕跡ないです。気配もなく」 悲惨な事故をうけ、地元では新たに「朱鞠内湖ルール」を決めました。
新たなクマ対策「朱鞠内湖ルール」を策定
船着き場以外では、原則として常に複数人で行動するよう求めます。 (釣りの男性)「不安はありますね。ただ、魚釣りという趣味は危険とリスクが隣り合わせという部分があるので、しっかりルールを理解しながら楽しませてもらうという気持ちですね」 いちはやくクマの居場所を特定できるよう、ドローンを用いた訓練も町や警察と実施しました。 対策が進む朱鞠内湖。 事故から1年経ちますが、中野さんの心の傷は癒えていません。
(シュマリナイ湖ワールドセンター 中野信之代表)「ヒグマに対してみんな軽視していたと思うんです。足跡はあるけど襲われないよね、ここのクマは人間を襲うことはないよね、という時代はもう終わったのかなと思います」 では、ひとりひとりができる対策はー クマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授が、実際に林道でクマの等身大のパネルを用いて教えてくれました。 (酪農学園大学 佐藤喜和教授)「人を襲うために行動しているクマはほとんどいないと思います。基本的には人と出会ったときには遠ざかろうとか隠れようとかそういった行動をとるので、複数の人間で行動したり鈴を鳴らしたりして、人間の気配をクマに知ってもらうことが大事」